逆境を一瞬で打破した人々が体得した「努力」×「閃き」の法則ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

不毛な努力に自ら気付き、正しい努力に切り替える。悩んだ挙げ句、最後に行き着いた一瞬の「閃き」で困難や逆境を好転させる。

» 2014年10月09日 08時00分 公開
[おかのきんや,ITmedia]
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どんなに努力をしても、目標を達成できない。

自分に革命を起こす、たった一つの方法

 一生懸命、頑張れば頑張るほど、かえって事態が悪化する。そんなときには、努力していることを免罪符として、「努力に逃避」している場合があります。

 人生の達人、野村元監督が努力について、こう述べています。

 「努力は大切である。が、それだけでは大きな成果が得られるとは限らない。肝心なのは、正しい努力をしているかどうかだ」(野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉より)

 努力と言えば、エジソンの名言。

 「天才とは1%の閃きと99%の努力である」が、あまりにも有名です。実は、この名言、エジソンの真意とは真逆だったのです。エジソンが、本当に伝えたかったのは、「最初の閃きが良くなければ、いくら努力してもダメだ 1%の“閃き”がなければ、99パーセントの努力とエネルギーは無駄になる」ということだったのです。

逆境を、打破した人たち

 この「努力」と「閃き」の関係に開眼し、逆境を、打破した人たちいがいます。彼ら、彼女らは、それまでの不毛な努力に自ら気付き、正しい努力に切り替えることができた人たちです。そこに共通することは、まさに「閃き」だったのです。悩んだ挙げ句、最後に行き着いた一瞬の「閃き」により、絶望と思えた困難や逆境を劇的に好転させたのです。

 私は、そんな人たちの、「閃き」に至るまでのプロセスを詳細に調べ、それを、誰にでも再現できるよう、次の一冊にまとめ上梓しました。

 「自分に革命を起こす、たった一つの方法」――“絶望”を一瞬で“希望”に変えた26人の「ヒラメキ物語」(著者:おかのきんや 監修:西沢泰生 ぱる出版)

「閃きエピソード」とは

 例えば、このような方々の「閃きエピソード」です。

  • 少年マンガのダントツ3強といわれた講談社、小学館、集英社に挑んだ弱小出版社の秋田書店「少年チャンピオン」2代目編集長が、ついに週刊少年誌1位の座を奪取できた。その転機となった「閃き」とは?
  • 絶望的なぐらい入り込む隙のない、生き馬の目を抜く世界に挑んだ駆け出し映画監督が、日本人監督の実写作品として初の全米興行成績で第1位となる快挙を達成できた。その転機となった「閃き」とは?
  • 経営不振にあえぐ酒蔵を引き継いだ二代目が、悪戦苦闘のすえ遂に、今や手に入れることも困難な日本酒の最高峰と謳われる大吟醸純米酒を造り上げた。その転機となった「閃き」とは?

実行可能な「閃き」

 「閃き」といっても、スピリチュアルなものではありません。すべて、実行可能な「閃き」ばかりです。

 もし、あなたが今、何らかの問題に直面しているのなら、その問題と照らし合わせ、自分事(じぶんごと)として、読んでいただけるよう、26人の多彩な人物をセレクトしました。本書をお読みいただければ、「たった1つのヒラメキ」によって、一瞬にして苦境から脱出した人たちの人生を、臨場感を持って追体験できます。そして、その体験は本を読み終えた次の瞬間から、必ずあなたの役に立つはずです。

自分に革命を起こす、たった一つの方法

 「自分に革命を起こす、たった一つの方法」の企画は、私自身の、ある「閃き体験」がきっかけで生まれました。

 私は20歳の時に講談社から、漫画家としてデビューしました。ところが、鳴かず飛ばずで、食べていくのが精一杯。次々と友人の漫画家たちが売れていく現実が、とても苦痛でした。このままでは終われないと一念発起、死ぬほどの努力を始めました。ところが事態はますます悪化、心身がすり減り、心の病を得ます。年ごとに仕事は減るが、借金と年齢は増え、55歳のとき漫画家廃業寸前にまで、追い詰められてしまいました。

 そんなある日、漫画家仲間の“つだゆみさん”が、声をかけてくれました。「書籍の企画を作る集まりがあります。よかったら、それに参加してみてはいかがですか?」というような内容でした。まるで経験のない仕事でしたが、「漫画の仕事に、つながるかもしれない」と、わらにもすがる思いで、会場である、編集プロダクションを訪ねました。ドアを開けた途端、その熱気に圧倒されました。既に会議は始まっていて、テンションの高い会話が、部屋の中を嵐のように吹きまくっていました。30人近くの編集者さんやライターさんが、各々の企画を堂々と披露しあっていました。

 片隅に座る場所を見つけ、耳を傾けていると、会議の内容が分かりました。集英社で大ヒットした漫画を2次利用し、書籍化する企画を立てていたのです。ショックでした。編集者さんやライターさんにとって、漫画家は単なる素材です。ところが私にとって漫画家は、同業者であり競争相手です。廃業寸前の漫画家が、超売れっ子の漫画家たちをより輝かせるための企画を立てる。なんとも皮肉な状況に思考が停止、何一つ発言できませんでした。

 「来るんじゃなかった、かえって惨めになった……」と、後悔しながらその場を後にしました。その夜、布団の中で、「もう、万策尽きた……」と観念した途端、心がポキリと折れました。

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