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» 2014年12月08日 10時00分 UPDATE

「まるで友だちのように」── 顧客起点、社員起点で「らしさ」を失わないZOZOTOWN

元プロミュージシャンの創業者が自らの感性を信じ、愚直に続けてきたZOZOTOWNが、この12月には10周年を祝う。日本最大級のファッションショッピングサイトに成長したZOZOTOWNだが、「まるで友だちのように」一人ひとりの顧客に向き合う「らしさ」は今も失われていない。同社の強みと、それを支える「カスタマー・フレンドシップ・マネジメント」やユニークな組織マネジメントについて話を聞いた。

[PR/ITmedia]
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shimizu.jpg スタートトゥデイ 取締役 兼 ホスピタリティ・マーケティング本部 本部長 清水俊明氏

 プロのミュージシャンとして活動するかたわら、輸入レコード・CDをカタログ販売していた前澤友作氏が、2000年にオンラインショップを開設、併せて入手が難しいストリート系アパレルも扱うようになったオンラインセレクトショップが「ZOZOTOWN」の出発点だ。2004年末、17のショップを統合、「想像」と「創造」の交わる街として生まれたスタートトゥデイのZOZOTOWNは、アーティストの前澤氏が自らの感性を信じ、ほかには真似のできない品ぞろえやサイトづくりで存在感を示し、「好きなこと」「得意なこと」を愚直に続けてきた。ファッション感度の高い20〜30代を中心とした男女、いわゆる「F1層」「M1層」を中心とする顧客に支持され、今や約600ショップ、2000以上のブランドを取り扱う日本最大級のファッション通販サイトに成長、この12月には10周年を祝う。

 しかし、事業規模が拡大する中でも前澤氏をはじめとするスタートトゥデイの経営陣は、創業の原点を大切にしてきた。それは、バンドのファンにお気に入りの輸入CDを販売してきたように、一人ひとりの顧客に向き合えているか、ということだ。2009年末に同社初のテレビコマーシャルを展開、新規顧客が大幅に増えたのに伴い、「顧客とのつながりが希薄化しているのではないか?」という危機感が大きな経営課題として浮上、その募る想いがCRM部門設置へと動かす。白羽の矢が立ったのは、現在、同社取締役 兼 ホスピタリティ・マーケティング本部の本部長を務める清水俊明氏だ。

 スタートトゥデイの強みと、それを支える「カスタマー・フレンドシップ・マネジメント」やユニークな組織マネジメントについて、日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソリューションを統括する田崎慎事業部長が話を聞いた。

「好きなこと」「得意なこと」を一人ひとりの顧客に

tazaki.jpg 日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業本部 Collaboration Solutions事業部 理事 田崎慎事業部長

田崎 ファッションコーディネートアプリ「WEAR」のダウンロード数も含めると、今や顧客や会員数は1000万に達したスタートトゥデイですが、その強みは何でしょうか。

清水 マーケティング戦略は、その企業が持つ独自の文化や、文化を形成してきた歴史を含め、これまでに顧客にどんな価値を提供してきたのか理解した上で構築されるべきであると考えています。入社当初から、わたし自身多くの時間を社内のヒアリングに費やしました。

 創業者の前澤がミュージシャンだったということもあり、二番煎じとか他社との競争ではなく、ファッションを楽しんでもらうために、一人ひとりの顧客、社員と向き合い、われわれにしかできない「好きなこと」「得意なこと」を愚直に続けてきた。それが支持されてきたのだと思います。

 そこでわたしは、CRM戦略を構築するにあたり、CRMのミッションを次のようにまとめ、前澤に提案しました。

「一人ひとりの日々の行動や心の変化を見逃さず

その変化の裏側にある心のあり様を想像し

一人ひとりに合ったZOZOならではの

気配り、思いやりを創造すること」

田崎 スタートトゥデイでは、CRMではなく、「カスタマー・フレンドシップ・マネジメント」(CFM)と呼んでいると聞きました。

清水 CRMにはさまざまな定義がありますが、一般的な理解としては、「収益性の高い顧客を特定し、長期的な関係を築くこと」になるかと思います。しかしながら、それはあくまでも企業側の都合です。顧客ロイヤリティを優先し、すなわち囲い込みを重視することでかえって顧客の満足度を下げているケースがあるのではないかと考えてきました。われわれは、顧客ロイヤリティよりも顧客満足度を重視し、すべての顧客と友だちのような関係になることを目指した顧客起点のCFMに取り組むことにしました。CFMは、わたしが提案したミッションを受けて、前澤が作ってくれた言葉です。

 もちろん、1000万人に上る顧客に、創業時のような「アナログ」的なおもてなしで一人ひとりに向き合うのは物理的に困難です。顧客への想いはそのままに、ITをフル活用することを模索しました。その結果、さまざまなマーケティング施策を自動化してくれるIBMの「Unica」や、データウェアハウスアプライアンスの「Netezza」を導入しました。現在では、日々200種類以上のone to oneマーケティングを展開しています。

友だちに会いに学校に来ているような会社

 千葉・幕張の本社オフィスを訪ねるとすぐに感じるのが、自由なファッションを楽しむ若い社員たちの明るさだ。「こんにちは」という、まるで友だち同士のような挨拶が交わされ、来客のわれわれに対してもその親しさや丁寧さで接してくれる。

 清水氏は、「この会社に入って最初に感じたのは、働かされているという感じの社員が少ないんですね。まるで友だちに会いに学校に来ているような感じです」と話す。

 600人の社員の平均年齢は、何と27〜28歳。人事制度も型破りで、人を点数で評価する人事考課はない。そもそも人事部ではなく、「人自部」と呼ぶ。会社は自らがやりたいこと表現する場なのだ。

清水 創業者の前澤は、競争が嫌いなんです(笑)。働き方というのは、どれが正しい、ということはなく、それぞれの会社の文化を反映していて、それに合ったマネジメントがあるはずです。右へならえ、ではなく、それぞれの会社の風土に合った、例えば、スタートトゥデイが採用している「6時間労働制度」のような多様な制度があってもいいと思います。われわれみたいな会社もあるという多様性の一例として発信していければいいと思っています。

田崎 IBMは業績管理と適正な競争で社員の力を引き出していますが、ゴールは同じです。企業の活力の源泉は社員であり、その生産性を高め、社員同士が組織を越えて考えをぶつけ合い、それぞれ持つ専門知識やノウハウを価値に変え、顧客とつながることが求められています。そのためのツールもIBMは提供しています。

 今も多くの顧客企業に導入していただき、そのコラボレーションを支えている「IBM Notes」は、現場主導でアプリを組み上げ、顔を知っている社員同士が知識やノウハウを共有するのに便利です。しかし、新たなイノベーションを生み出すため、国や地域が違い、これまで顔を合わせたことがない人ともつながらなければならない働き方が求められてソーシャル機能を追加しています。

 11月には次世代のメールとして「IBM Verse」を発表しましたが、あるべきコミュニケーションが「メール中心」から「人中心」へシフトしていることを反映したものです。ただ単に時系列にメールをならべて見せるのではなく、アナリティクスを活用して仕事上の関係性をシステムが理解し、関連する専門知識やノウハウを持つ社員をスマートに検索し、重要な仕事に注力する環境を提供してくれます。

コミュニケーションも「相手起点」になれば

清水 先ほど、1000万人の顧客や会員に対して「アナログ」のアプローチは難しいという話をしましたが、社内のコミュニケーションでも新たなテクノロジーが求められているのかもしれません。考えてみれば、今のメールは、自分の都合で送る「自分起点」であって、相手の立場を考えた「相手起点」ではありませんね。

 きっと相手起点へとコミュニケーションツールは進化していくでしょうね。テクノロジーを活用して洞察力が上がっていけば、上司としては、スタッフが仕事で悩んだり、行き詰まっているときにタイミング良く適切な声を掛けることができます。企業が成長して組織が大きくなってもコミュニケーションに課題を抱えないよう、上手くテクノロジーを活用していきたいですね。

田崎 今後、スタートトゥデイはどんな会社であったらいいですか。

清水 ファッションの楽しさを通して、一人ひとりの心が豊かになり、家族や友人と笑顔で過ごしてもらえるよう、そうした社会の一員としての役割を担える会社であったらいいと思います。さらにWEARでは、ファッションを通じて、世界25の国や地域の人たちとつながっています。そこには人種や国籍もありません。みんなが思い思いに楽しんでいます。

 輸入CDやレコードのカタログ通販、ZOZOTOWN、そしてWEARはどれも「世の中にないもの」「サプライズのある粋なこと」を大切にしてきました。社員には、自然体で、一人ひとりが自分の好きなこと、得意なことで思う存分、価値を発揮して、結果として会社やその先にある社会の一員として、良い影響を与える仕事をしてもらえたらいいですね。私自身も志を持って、人間力を高める努力を重ねていきたいと考えています。

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