メンタルヘルスに強いリーダーになる! 簡単な方法ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2014年12月11日 08時00分 公開
[晴香葉子,ITmedia]
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5、「うっ!」と思ったら、手のひらを上に向けてリズミカルに呼吸を

 仕事にはアクシデントがつきものですよね。気が動転するあまりに、さらなるパニックを呼び込んでしまうことも多いものです。人為的過誤や失敗のことを心理学ではヒューマンエラーといいます。失敗や思わぬトラブルが起こるのも人間であればこそ。そのような場面では、手のひらを上に向けて、呼吸のリズムを整えてみてください。

 手の位置は、お腹の前あたりで両手を上に向ける座禅の禅定印のようでもいいですし、ヨガのポーズでよくみられる、身体の横で両手を上に向けるようにしてもOKです。その状態で深く息を吐き、ゆっくりと吸います。それを3回程度でもいいので繰り返してみてください。1分もかからないと思いますが、心が落ち着いてきます。

 手のひらを上に向けると、こころも上向きになります。禅定印の手の組み方は、お釈迦様が悟りを開いたときのポーズとされていて、瞑想やこころの安定という意味もある印相です。そのようなポーズで、ゆっくりと深くリズミカルに呼吸すれば、心拍数も落ち着き、その場の状況や問題点を冷静に考えることができるようになるのです。2000年以上も前から仏教や禅で用いられている呼吸法が、現代の脳科学や認知心理学で実証されました。

6、大切な人の気分も変わる 

 こころの使い方が上手になると、周りの人の気分を変えることも自然とできるようになっていきます。なぜなら、私たち自身が周りの人にとっては環境の一部だからです。

  • 会社には行けないのに、好きなことならできる新型うつ。
  • 家に帰り、一人になると暗い気持ちに苛まれる仮面うつ。
  • うっすらと自分は鬱病なのではないかと感じている潜在うつ。
  • 何らかの理由で人前では笑顔を絶やさない微笑うつ。

 このように、表面的には分かりにくい抑うつ症状も増えていますから、あなたの周りにも、一見そうとは分からなくても、些細な落ち込みやストレスに悩んでいる人がいるかもしれません。早めに気づき、サポートできれば何よりだと思いますし、少なくとも、ますます気分を下げてしまうようなことは、避けたいものです。そのためにも、まずは自分自身が、上手に心を使い、良い状態を維持し、穏やかに楽しく仕事に取り組んでいくことが大切です。

著者プロフィール:晴香葉子(はるかようこ)

作家・心理コンサルタント・コミュニケーション学研究者。東京都出身。成城大学大学院コミュニケーション学専攻。日本心理学会、日本社会心理学会、行動経済学会に所属。日本心理学諸学会連合認定心理学検定1級。心理コンサルタントとして、企業に対するコンサルティング業務のほか、テレビなどのメディア監修・出演、講演実績も多数。著書は25冊を超え、海外でも出版。テレビ朝日『auヘッドライン・ニュースEX』にて、悩み相談コーナー連載中。


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