優秀なリーダーほど、コンサルタントを上手に使っている! ――自社、自部門の業績を向上させる、本当のコンサルティング活用策ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

急成長している会社に共通しているのが、複数の各専門コンサルタントを活用し短期間に自身の目指す仕組みを作り上げていること。ではコンサルタントを活用するために注意すべきこととは?

» 2015年05月07日 08時00分 公開
[五藤万晶ITmedia]
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優れた社長は、コンサルタントをどう使うのか?

 「コンサルタントは、会社が傾いた時に頼むもの」、「優秀な経営者はコンサルタントなんて使わない」、「コンサルタントなんて詐欺師と一緒」……といった言葉を聞くことがあります。世間では、怪しい職業1位などにも選ばれたこともあるコンサルタントですが、これらのことは、果たして本当に正しいことでしょうか?

 世の中にはいろいろな会社があります。典型的な斜陽産業といわれる中にあっても、10年連続増収増益を誇っている会社があります。また、創業わずか5年で売上50億円にまで急成長している会社もあります。どちらも、知人の会社で、極めて優秀な若手経営者が陣頭指揮をしています。

 彼らに共通するのは、社長自身が優秀なのはもちろんですが、優れたビジネスノウハウに対して、貪欲に吸収、活用しているという点です。営業販売の仕組み、通販の仕組み、会員制の仕組み、賃金制度、評価の仕組み、ウェブ集客の仕組み……といった経営の仕組みづくりに対して、各専門コンサルタントを複数活用し、短期間に築きあげて成長しています。

 重要なのは、他社が自前・自力で3年かかって作っているのを尻目に、6カ月や1年足らずで仕組みを構築して稼働させているという点です。

 優れた経営者に共通する点はここです。一時的な売上増やコストダウンなどには目もくれず、「儲かる仕組みづくり」に優秀な人材を抜擢し、采配を振います。儲かる仕組みづくりなくして、事業の豊かな成長など、決して実現しないことを知っているからです。

 企業の競争とは、仕組みの戦いと言っても過言ではありません。営業スタッフがたくさんいても、売る人とそうでない人がいるのは世の常であり、一部のトップ営業に数字が依存している中小企業は多いもの。

 しかし、事業の成長を抑えているのは、他ならぬ「誰がやっても売れる仕組み」を構築していない現状の体制にこそに問題がある、ということを考えなければなりません。事実、成長著しい企業の場合、そこには必ず「売れていく仕組み」があります。それが成長の原動力だからです。

 優れた経営者は、このポイントを見逃しません。仕組みで売れる、仕組みで回す、この実現のために優秀な専門コンサルタントを積極的に活用して、社内に次々と仕組みを構築してもらうのです。コンサルタント活用により、最も重要な経営資源「時間」を圧倒的に有効活用できるからです。

 「優秀な経営者は、コンサルタントなんて使わない」── これほど愚かな実態知らずの言葉はありません。時代錯誤の古い経営か、はたまた零細の経営か、少なくとも自社を意欲的に成長発展させていくことに他者の知恵やノウハウを生かすことができない視野の狭いリーダーだということです。

 コンサルタント活用によるメリットはたくさんあります。ただし、注意すべきこともあります。本物の専門コンサルタントを活用しなければ、メリットどころか、場合によっては会社が傾くことさえある、という点です。

 そもそも、コンサルタントと称して仕事をしている人はたくさんいます。ただし、資格制度などは一切ありません。コンサルタントと称することに関して、何ら規制は無く、誰でも自由に「私はコンサルタントです」と肩書を付けることができます。

 これは、他の「アドバイザー」や「アナリスト」、「コーディネーター」、「プロデューサー」といった肩書でも同様ですが、「コンサルタント」という言葉の響きには、何か少しランクが上の、専門的な指導ができる人…という感じを持つ人が多いと思います。実際、その都合のいいイメージを商売に利用しようとして、多くの人がコンサルタントと称しているのです。

 問題は、このコンサルタントと称している人の中には、まったくといっていいほど、「コンサルティング」ができない人がいるという現実です。冷静に考えれば、「コンサルタントとは、コンサルティングできる人」でなければ、おかしなことになります。にも関わらず、単なるアドバイスや、資料作成、相談相手、事務代行、販売あっせん……といったことを仕事としている人が大勢いるのです。

 これらは本来、アドバイザーや、外注請負、カウンセラー、代行業、販売員……といった肩書をつけるべき仕事です。しかし、料金も高く取れてイメージ的にも上がるなど、商売的に有利なため、「○○コンサルタント」といった肩書を付けていたりするわけです。

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