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» 2015年10月28日 08時00分 UPDATE

Gartner Column:デジタル・ビジネスの担い手は、CIOであるべきか? (1/3)

デジタル経済は、企業が製品やサービスにおいて新たなデジタル化の機会を追求する必要がある。しかし、デジタル・ビジネスをいつでもサポートできる「デジタル・コア」がなければ、こうした機会を完全に生かすことはできない。

[小西一有(ガートナー ジャパン),ITmedia]

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 デジタル経済は、企業が製品やサービスにおいて新たなデジタル化の機会を追求するよう強く求めている。しかし、デジタル・ビジネスをいつでもサポートできる「デジタル・コア」がなければ、こうした機会を完全に生かすことはできない。つまりデジタル・コアがデジタル経済での勝敗を握っており、構築・整備するのは、CIOであることから、デジタル・ビジネスの担い手としてCIOが必須だと言い切りたい。

デジタル経済に必須の「デジタル・コア」

 デジタル時代は、新しいビジネス・モデルがすべてである。社内プロセスの習熟だけに注力して変更を推進しても無意味とは言わないが、不十分である。この新しい時代の機会をつかむというのは、これまでとは違った新しいゲームである。

 このゲームでは、バリューチェーンが拡大し、複数のプレーヤーが関与する。彼らは、クラウドを含むデジタル・エコシステムで貢献し合い、サービスや製品を交換し合う。つまり、近年コスト削減に専念してリーンなプロセスを備える最も効率的な組織であっても、外の世界とつながって、これまでとは違った新たな売り上げを生み出せなければ、成長し続けることはできない。デジタル時代は、相互関係と依存関係の両面において複雑性が増すときである。

 従来のERP などは、密に連携した一枚岩のエンタプライズ・アプリケーションである。昔ながらの方法で、閉じられたビジネス・アーキテクチャに情報/データ機能が組み込まれている。こうした一枚岩のエンタプライズ・アプリケーションは、企業が上記のようなデジタル経済のメリットを完全に享受することを妨げる。

 エンタプライズITは2つの時代(「職人的なIT」「ITの工業化」の時代)を経て、第3の時代(「デジタル化」の時代)に突入した。そのため企業も軸足を移し、外部の世界と俊敏につながることができなければならない。外部の世界に、デジタル化の機会はある。大半の企業のテクノロジ・アーキテクチャには、第3の時代が求めるスピード感で相互運用する能力がない。

 今日、大半の企業で稼働している古いITコアには十分な拡張性がなく、デジタル時代が求める開放性と俊敏性で外の世界に即応していない。一方で企業には、貴重な時間を使って「ビジネス・モーメント」の機会を逸している余裕はない。

 ビジネス・モーメントをつかむには、素早いシステム変更と、革新的な製品/サービスを支える拡張可能なソリューションの両方が必要となる。しかしデジタル・コアであれば、増加するデジタル・ビジネス要件に俊敏に対応できるだけの拡張性と堅牢性を備えることができる。

 デジタル・コアへの移行は、IT部門にとって、すべてを制御することに慣れた組織から将来の技術的プラットフォームに何が起こるか確信が持てない組織になるという、大きな変化を意味する。企業が早急にデジタル・コアを整備しなければならないのは更に以下に掲げる理由もある。

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