ベゾス氏のBlue Origin、ロケット再利用に成功

Blue Originが、2015年11月に垂直着陸に成功したロケットの再打ち上げ・着陸に成功した。

» 2016年01月25日 07時12分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Amazon.com創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙企業Blue Originは1月22日(現地時間)、2015年11月に垂直着陸に成功したロケット「New Shepard」の再利用(打ち上げ・着陸)に成功したと発表した。

 blue 着陸直前のNew Shepard

 同社によると、New Shepardはカーマンライン(国際宇宙連盟が大気圏と宇宙空間の境界と定めた海抜高度100キロ)を1.7キロ超えてカプセルを切り離し、カプセルとブースターロケットの双方が無事着陸したという。ベゾスCEOは同日、再利用実験の動画を添付した「中古ロケットは飛べるかな? 動画と技術的詳細はこちら」というツイートを投稿した。

 bezos New Shepardの前に立つジェフ・ベゾスCEO

 ベゾス氏によると、再利用したロケットは、パラシュートや幾つかの部品を交換し、ソフトウェアを大幅にアップデートしたものという。動画では、パラシュートと逆噴射の併用で減速して着陸するロケットとカプセルを見ることができる。

 ベゾス氏は、垂直着陸にこだわる理由を「われわれのビジョンは宇宙で何百万人もの人々が生活することだ。それを実現するために必要な超大型ロケットには垂直着陸が最適なのだ」と説明した。

 ロケットの垂直着陸は、打ち上げロケットの回収・再利用を低コストに行う上で重要だ。TeslaのCEOでもあるイーロン・マスク氏が率いる宇宙企業SpaceXも昨年12月に「Falcon 9」ロケットの垂直着陸に成功したが、ロケットの再利用についてはBlue Originが先んじた格好だ。

 ベゾス氏は、現在New Shepardより何倍も大きい軌道輸送船を開発しており、「年内にこの軌道輸送船の詳細を発表したい」と語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆