ベビー用品のピジョンが圧倒的シェアを獲得できる理由ポーター賞企業に学ぶ、ライバルに差をつける競争戦略(4/4 ページ)

» 2017年07月05日 06時30分 公開
[伏見学ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

国の価値観に合わせた商品開発を

大薗: 元々、0〜18カ月の乳幼児にフォーカスした理由の1つに、この発達段階においては文化や習慣、社会の影響を受けずに世界共通のニーズがあるから、良い哺乳器を作ればローカライゼーションしなくても世界中で売れるという目算があったからですね。海外事業において商品はローカライズしないのでしょうか?

山下: 商品の機能などは若干ローカライズしています。当然、国によって所得差がありますので。例えば、インド市場は売り上げが伸びていますが、フラッグシップ商品である「母乳実感」の比率はまだまだ少ないです。

大薗: すると、インド市場向けには、より安価な、しかしピジョンらしいものを開発しているということですか?

山下: 現地のニーズを取り込んだ形で新製品を出しています。インド発の安価タイプの搾乳器は、ベースの機能は削っていませんが、構成する部品を減らしたりしています。

 中国では価格の高い商品が好まれる傾向にありますが、インドはそういうことがないです。たとえお金持ちでも安価な商品を買います。国ごとに独特の価値観があるので、それに合わせて商品を変えていかねばなりません。

大薗: 本日はどうもありがとうございました。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆