成功する人は、教わり方が違うビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2017年08月03日 07時07分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

一流は、プロのすごさが分かる。二流は、プロと張り合おうとする

 人間には、

(1)プロ

(2)プロのすごみが分かる人

(3)プロのすごみが分からない人

の3種類がいます。

 いきなりプロにならなくてもいいのです。スタートは、プロのすごさは分かりません。まずはプロのすごみが分かる人を目指します。プロのすごさが分かれば、素直に教わることができます。

 半人前の人は、つい「自分はプロとそれほど違わない」と思いがちです。そうなると、「ホントかね」とか「これでいいんだろうか」とか、プロの話を素直に聞こうという気持ちがなくなります。1歩間違うと、教えてくれるプロと張り合おうとしてしまいます。

 半人前とプロとの距離感は、上から下は分かりますが、下から上は分からないのです。

 習い事を始める人は、「すぐ先生のようになれる」というのが初期動機です。とはいえ、しばらく習っていると、「これは遠いぞ」と分かってきます。ここでワンステップ上がったのです。

 教わることの一番大きな意味は、プロのすごさを尊敬できるようになることです。教われないことの危険は、プロをなめてかかり、仕事をなめてかかり、生きることをなめてかかることです。

 「資格を取ったのに食べていけない。どこでも就職できると思っていたのに仕事の依頼が来ない」と言う人がいますが、たかだか3カ月ぐらいで取った資格です。そんなもので一生食べていけるわけがありません。

 「その資格で食べている人がいる」という反論が出ますが、その人は10年も20年もかけて、その道の修業をしている人です。食べていくことに対して、なめてかからないことです。

一流は、教わっていると感じる。二流は、叱られていると感じる

 教えている側は、まったく同じことを言っています。教わっている側が、どう感じるかです。明らかに優しく教えているのに、二流は素直に受けとめることができません。

 「叱られている」→「嫌われている」→「いじめられている」→「パワハラされている」と、話がどんどん変わっていきます。

 「私、いつも叱られているんです」と言う人に「こうしたらいいよ」とアドバイスすると、「また叱られました」と言われます。教える人は、「怒りっぽい人」という印象にならないように、頑張って優しく教えています。それを「叱られている」と取られたら、教えるほうのモチベーションがなくなるのです。

 教えるには大変なエネルギーが必要です。「教えたくてしようがない」という人は、いません。いたとしたら、その人は二流です。一流は、自分の修業で一生懸命頑張っています。教えることが本業ではなく、「聞かれたから教える」という形です。

 「あの人は教えたいから教えている」と解釈するのは、人の好意に対して感謝の気持ちがなさ過ぎます。厳しくされればされるほど、「いいことを教えていただいた」と喜べる人が一流なのです。

著者プロフィール:中谷彰宏・作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は、『成功する人は、教わり方が違う。』(河出書房新社)など、1,030冊を超す。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆