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» 2018年01月23日 10時32分 公開

素材各社、セパレーター増産 EVシフトに対応 旭化成は285億円投資

素材各社が、リチウムイオン2次電池の主要部材で、電気ショートを防ぐ膜のセパレーターを相次ぎ増産している。

[SankeiBiz]
旭化成がセパレーターを増産する米ノースカロライナ州の工場

 素材各社が、リチウムイオン2次電池の主要部材で、電気ショートを防ぐ膜のセパレーター(絶縁材)を相次ぎ増産している。世界シェアトップの旭化成が2020年までに計285億円を能力増強に投じるほか、住友化学や東レも増産に動いている。各社とも、自動車メーカーによる電気自動車(EV)へのシフトが「想定以上に進んでいる」(小堀秀毅・旭化成社長)とみて対応を急ぐ。

 旭化成は今月、日米の工場に計75億円を投じることを決定した。15年に買収した米ポリポア社の工場に年1億5000万平方メートルの設備を導入し、18年度下半期に商業運転を開始。滋賀県守山市の守山製造所でも、20年度上半期に9000平方メートルの能力を追加する。

 同社は、16年と17年にも計210億円をかけて守山の能力を増強すると発表、現在工事を行っている。相次ぐ増強で、宮崎県日向市や韓国の工場を含む全体の能力は、現在の6億平方メートルから20年には11億平方メートルへ一気に拡大する。

 ただ、このままEVの普及が進めば、それでも生産が追いつかない可能性がある。このため早期に20年以降の増強計画を固める考えだ。

 一方、住友化学は昨年8月に韓国で生産を開始。韓国だけで約200億円を投じ、既存の大江工場(愛媛県新居浜市)と合わせた能力を、16年時点の1億平方メートルから近く4億平方メートルに増やす。同社はEVメーカーの米テスラに電池を納めるパナソニックを大口顧客に抱える。以前は4億平方メートルへの拡大は20年ごろとみられていたが、EVが予想以上に普及する中で前倒ししたかっこうだ。

 このほか、東レも20年までに1200億円規模の投資を行う計画。加工前の基材の生産能力を17年比で3倍に増やす。

 セパレーターは、中国勢が低価格を武器に追い上げる中でも技術力のある日本が優位を維持している。特に自動車向けは、スマートフォンなどの電子機器以上に高い安全性が要求されることから、日本メーカーはEVシフトを収益拡大のチャンスとみている。

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