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» 2018年03月14日 07時14分 公開

経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意:ジャパンネット銀行が銀行の常識を変える!ユーザーのニーズに徹底的に寄り添う数々の“日本初”の取り組み (1/2)

日本初のインターネット専業銀行として創業したジャパンネット銀行。目指す銀行の在り方や数々の日本初のサービスについて、代表取締役社長の田鎖智人氏に話を聞いた。

[聞き手:井上敬一、文:牧田真富果,ITmedia]

 2000年、日本初のインターネット専業銀行として創業したジャパンネット銀行。店舗を持たず利用者はインターネット上で24時間365日、いつでもどこでも振込みや取引明細を確認することができる。時代によって移り変わるお客さまのニーズを素早く読み取り、新たなサービスを提供してきたジャパンネット銀行の顧客満足度は近年さらに高まっている。ジャパンネット銀行が目指す銀行の在り方や数々の日本初のサービスについて、代表取締役社長の田鎖智人氏に話を聞いた。

無停止連続稼働、安全性を誇る日本初のインターネット専業銀行

ジャパンネット銀行 代表取締役社長 田鎖智人氏

井上 2018年の2月に田鎖さんが社長に就任したそうですね。どういった経緯で社長になったのですか?

田鎖 もともとはヤフーで、ジャパンネット銀行の担当をしていていました。ヤフーとジャパンネット銀行が資本提携をし、担当をしていた私が社外取締役になったのが2006年のことでした。ヤフーのユーザーに対して、さらに便利なサービスを提供することを目的にジャパンネット銀行に携わってきました。

 その後、ヤフーグループの中で銀行という位置付けがさらに重要になり、ジャパンネット銀行のさらなる成長のため、2018年2月にヤフーの連結子会社となり、同時に私が代表取締役社長になったという流れです。

井上 そもそもネット銀行は普通の銀行とはどんな違いやメリットがあるのでしょうか?

田鎖 一番分かりやすいのは店舗がないということです。店舗がないことで、運営コストが低くなるので、高い預金金利を提供することができたり、振込み手数料が安くなったりします。

井上 他にはどんなメリットがありますか?

田鎖 店舗がない代わりに、全ての手続きはインターネット上で完結します。いつでもどこでも安全に取引ができるというのがインターネット銀行の大きなメリットです。

 ただ、銀行では定期的なシステムメンテナンスが不可欠です。ネット銀行含めて銀行の多くは、週1回、月1回などの頻度でサービスを停止してシステムメンテナンスを行っていることが多いのですが、ジャパンネット銀行はシステムメンテナンス実質ゼロに取り組んでいて、現在1年のうちサービスを停止している時間は30分だけです。

 インターネット上の取引は、曜日や時間を気にしない人も多いので、週末や夜間にサービスが停止してしまったら不便ですよね。振り込もうとしたときにメンテナンス中で取引ができないと時間のロスになってしまいます。

井上 セキュリティについて、お客さまの満足度を高めるためにどんな取り組みをしていますか?

田鎖 セキュリティについては、さまざまな面から対策を行っています。一例として、振り込め詐欺などの特殊詐欺被害が起きないよう、不正な取引がないかモニタリングしています。被害の未然防止に貢献したとして、警察から数多く表彰されています。万が一被害が生じたときにも、通常90%以上の返金を行っています。

井上 ジャパンネット銀行はなぜ他行よりも高い返金率をキープできているのですか?

田鎖 不正な取引を検知する独自のシステムと担当者のスキルによって、詐欺被害にあった方が送金した先の口座を凍結するスピードが速いからです。犯罪者がお金を引き出せなくなり、返金が可能になるのです。

決算書不要でお金を借り入れることができる新しい融資モデル

井上 日本初のネット銀行として、これまでにどんな日本初のサービスを提供してきたのですか?

田鎖 ジャパンネット銀行は、特にネットでの取引に対してサービスを強化してきました。通帳を廃止し、取引をインターネット上で全て見られるようにしたことはもちろん、2006年にお客さま全員へトークンを無料配布したことも日本初の取り組みです。トークンは本人認証のワンタイムパスワードが表示されるもので、取引の安全性を高めるために導入しました。以前はキーホルダー型でしたが、2016年からはより携帯が便利で財布に入れて持ち歩けるよう、キャッシュカードと同じ薄さのカード型のトークンを提供しています。安全な取引ができるとしてお客さまから評価されています。

井上 日本初のサービスとして、他にはどんなものがありますか?

田鎖 2015年にスタートした、法人向けの取引データを活用した融資サービスも日本初です。法人が銀行から融資を受けたいとき、通常は財務諸表の提出を求められ、起業後3期を経過していないとお金を借りることが難しい状況にあります。

 ジャパンネット銀行は、スタートアップや個人で仕事をしている人の事業を支援するために、2015年からYahoo!ショッピングやヤフオク!の取引データを審査に使う融資サービスを始めました。取引傾向やユーザーからの評価などのデータを活用し、担保、保証人、決算書不要で、ネットを通じて非対面で融資するというのは、これまでの銀行になかった新しい融資モデルです。

井上 個人経営の人にとっては、とても助かるサービスですね。もう少し詳しく教えてください。

田鎖 普通の銀行だと審査が通ったとしても、お金が融資されるまでに時間がかかりますが、ジャパンネット銀行は最短で翌営業日に入金できます。2017年4月からは、初回の審査で貸し出すことができる額の限度枠を設定し、その枠の中で必要な金額を借りられるようにしています。あらかじめ審査が通っていれば、必要な時に必要な額をすぐに借り入れることができるので、急に仕入れが必要になったときにも対応できます。大量に仕入れたい時にすぐに借り入れができるので、ショップの売上に貢献できているようです。

 商売の動向は、一定のペースではなく、急激に変化するものです。審査をスピーディーにし、お金をなるべく早く届けることで、お客さまのサポートができると考えています

井上 freeeでもビジネスローンのサービスを提供しているのですね。

田鎖 はい、2016年にクラウド会計サービスを提供するfreeeと連携し、freeeの会員向けにfreee上にある会計データを元に融資をするサービスを始めました。クラウド上にデータがあるので、決算書を改めて提出してもらう必要がありません。

 ネット上にはデータのかたまりがあらゆるところにあります。それらによって審査して融資を行うサービスを今後さらに横展開したいと考えています。

井上 信用できるかどうかという「人となり」を審査に入れるという未来についても構想があるようですね。

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