50代がもっともっと楽しくなる方法ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2018年03月15日 07時15分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
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 実は、ここは感謝するところです。本当はクビだったのに、温情で残してもらえて降格、減給にとどめてもらったのです。ここで、「こんなに貢献しているのに、何で?」と、ふてくされると、経営者と自分との間で心の温度差ができます。

 逆に、「ありがたい。クビにならないで拾ってもらった」と思える人は、ここから頑張るからハッピーになれるのです。拾ってもらったありがたさに気付かずに、ふてくされる人には、後はますますつらい人生が待っています。

 自分の条件が悪くなった時に、まずは「拾ってもらえてありがたい」と気付けることが大切なのです。温情に気付ける人が、リーダーとして、うまくいく人なのです。

結果でするのが、ウハウハ。プロセスでするのが、ワクワク。

 「楽しい」には、「ウハウハ」と「ワクワク」の2通りがあります。「ウハウハ」は、半分、死語です。20代の女性には、「ウハウハ」の意味すら分からなくなっています。30代、40代は、まだウハウハで、ワクワクです。

 50代は、先が見えています。給料も下がって、役職も降格して、定年も間近と考えると、楽しくなんてなれないのです。この人の言う「楽しい」は、「ウハウハ」を指しています。

 ウハウハは、「馬券が当たってウハウハ」「株が上がってウハウハ」「モテモテでウハウハ」という時に使います。大体が、お金とかモテモテとかの関係です。ウハウハは、すでに起きたことに使う言葉で、未来に起こることには使いません。

 例えば、書道を練習していて、「うまくなっていくのがウハウハ」という表現は合わないのです。「馬券が当たりそうでウハウハ」「株が上がりそうでウハウハ」という言い方もありません。「下がったらどうしよう」という気持ちの方が、まだ強くあります。ウハウハは、本当にお金が入ってきてから使う言葉です。

 それに対して、習い事をしている人は、いつかうまくなることを想像してワクワクします。ダンスを習っている人は、いつかダンスパーティーに出ることを想像してワクワクするのです。今起こっていない、結果がまだ手に入っていないプロセスの段階での楽しみが、ワクワクです。

 「楽しみがない」と言っている人は、「結果が手に入らない」と言っているのです。ウハウハを求めても、ウハウハは手に入りません。30代は、まだ手に入る可能性がありました。50代は、ウハウハは十分手に入れた後です。ここから手に入れられるものは、ウハウハではなく、ワクワクです。

 結果とは関係なく、今、楽しめるものを楽しむことが、50代を楽しむ方法なのです。ウハウハより、ワクワクすることが、リーダーとしても大切なのです。

隣に座って、感じのいい人になる。

 人間の楽しみは、出会いから人間関係が生まれていくことです。人間関係をつくるには、まずは出会いのチャンスが生まれることが大前提です。出会いのチャンスは単純です。お昼ごはんで相席になった時に、「ハズレ」と思われないことです。

 新幹線で隣り合わせた時に、「隣のオヤジ、ハズレ。どこか席が空いていれば移りたい」と思われないことです。要は、隣り合わせた人に感じのいい人になるということです。新幹線の席でもランチの相席でも、常に当たりかハズレしかないのです。自分もそう思っていますが、自分以上に相手もそう思っています。

 タクシーに乗った時に、「この運転手さん、ハズレ」と思うことがあります。運転手さんも、「このお客さん、ハズレ」と思っているのです。感じのいい人になるために大切なのが、愛嬌(あいきょう)です。

 50代の人に「どんな部下がいいですか」と聞くと、「やっぱり愛嬌のある人がいいよね」という答えが返ってきます。部下にとっても、上司に大切なのは愛嬌です。自衛隊ですら、リーダーシップの要素の中に「愛嬌」が入っています。映画の中でも、好かれるリーダーには愛嬌があります。

 勘違いは、リスペクトされるために、威厳を持たせようとしてシリアスな顔をしてしまうことです。写真を撮る時も絶対に笑いません。部下には愛嬌を求めるくせに、上司としての自分は「愛嬌を出したら負け」と思っているのです。

 愛嬌は、失敗した時に出るものです。成功に愛嬌は必要ありません。とんちんかんなオトボケが愛嬌です。もう一つ大切なのは、失敗した後に明るいということです。

 怒って失敗を乗り切ろうとする時点で、愛嬌がないのです。せっかく失敗したのだから、その機会に明るさをアピールします。失敗した時に明るくふるまうことで、みんなから慕われるリーダーになるのです。

著者プロフィール:中谷彰宏 作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は、『50代がもっともっと楽しくなる方法』(リベラル社)など、1050冊を超す。


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