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» 2018年06月13日 07時07分 公開

経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意:マーケティングはしない、自分たちが本当に欲しいものを作る――化粧品ブランド「マナラ」が女性たちの支持を集める理由に迫る (1/2)

「効果が実感できる化粧品を作りたい」という岩崎裕美子氏の思いから2005年に創業したランクアップ。女性たちの支持を集め続ける理由とは何だろうか。

[聞き手:井上敬一、文:牧田真富果,ITmedia]

 「効果が実感できる化粧品を作りたい」という岩崎裕美子氏の思いから2005年に創業したランクアップ。化粧品ブランド「マナラ」を展開し、商品ラインアップの中でも「マナラホットクレンジングゲル」の売上げ本数は、これまでに900万本に上り、会社としては12年連続増収を達成した。化粧品会社出身でもない岩崎氏が立ち上げた会社が、女性たちの支持を集め続ける理由とは何だろうか。ランクアップ代表取締役の岩崎氏に話を聞いた。

売れることだけを追い求めた商品は作らない

井上 ランクアップで展開しているマナラとはどんなブランドなのですか?

ランクアップ代表取締役 岩崎裕美子氏

岩崎 自分たちが本当に欲しい製品を作ることにこだわっています。こう話すと、製品開発の方法が短絡的だと思われることもあるのですが、売れそうとか、流行っているからとかいう理由ではなく、作っている私たち自身が使用して満足できる、妥協のない製品作りを目指しています。

井上 妥協のない製品作りとはどういったものでしょうか?

岩崎 一般的な化粧品メーカーの製品開発では、販路、価格などを先に決めてから開発を始めます。「ドラッグストアで1000円で売る」などです。しかし、価格ありきで製品を作ろうとすると、使える成分は限定されてしまい、結局、完成した製品は、他社との違いがほとんどないものになり、違いはネーミングと広告手法のみということが多くあります。

 ランクアップが製品開発の際に重要視しているのは、「なぜその製品を作りたいのか」という思いです。その思いが伝わってこない企画は製品開発会議で全て落としています。

井上 製品は、自分や身近な人たちの悩みを解決する手段なのですね。

岩崎 創業当時、開発パートナーを探して、さまざまな製造会社と話をしたのですが、女性たちをきれいにする化粧品作りに本気で取り組んでいるところはほとんどなく、売れる商品を追求していた会社が多かったように感じました。

 「新しい成分を入れたり、人気商品のまねをしたりすれば売れる」といわれたこともありました。女性たちは、新しい成分が入っている化粧品を求めているわけではなく、肌の悩みを解決してくれて、本当に肌がきれいになる化粧品を求めています。女性たちの求めていることと、化粧品業界の常識がずれているように感じました。

井上 例えば、誰のどんな思い、悩みから製品が生まれたのですか?

岩崎 ランクアップを起業したのも、「自分の肌を変えてくれる化粧品に出会えないなら、自分で作ろう」という思いからでした。以前は、広告代理店で取締役営業本部長として働き、多忙な日々を過ごしていたため、肌がボロボロになり、年齢よりも老けて見られていました。いろいろな化粧品を使ってみても、肌荒れは改善せず、ずっと悩んでいました。そういった私自身の悩みから、起業を決意しました。

井上 岩崎さん自身が顧客視点を常に持って会社を経営しているのですね。誰かの悩みを解決する商品というリアリティーのあるストーリーが顧客に受け入れられたのでしょうね。

岩崎 創業当時は特に、売れるかどうかよりも、自分自身が満足する化粧品を作り、自分の肌を変え、効果が実感できる製品を販売したいという思いが強くありました。そうして作った化粧品だからこそ、お客さまの共感につながったのではないでしょうか。

社員自身もユーザーの一人として、顧客視点を持つ

井上 お客さまの声を製品に生かすこともあるのですか?

岩崎 製品と一緒に送っている「社長室ハガキ」で、私宛にお客さまから意見が寄せられます。他にも、コールセンターでの要望を反映させるようにしています。

井上 お客さまからどんな意見がありましたか?

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