連載
» 2018年08月02日 08時24分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:結局Focus&Deepが重要 (1/2)

プロフェッショナルとして、全ての仕事に一定以上の成果を出しながら、本当に重要な仕事には、「神が細部に宿る」レベルまで仕上げなければいけない。

[中尾隆一郎,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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君たちの卒業論文の中身なんか誰も興味はないのだよ……Focusの重要性

『最高の結果を出すKPIマネジメント』

 材料物性工学科の学生であった私が、研究室のY教授からかけられた言葉です。大学4回生は、最終年度の2月に30分程度の卒論発表を行います。学生であった私たちは、必死に良い論文を作ろうとしていました。正確に表現すると、少なくとも私はそうでした。しかし、Y教授は、大事なのは中身ではなく、発表だと言い切ったのです。

 その結果、私たちの研究室だけは、論文の提出締め切りを大学の公式締め切りの1週間前に設定されることになりました。

 その1週間に何をしたのか?

 やったことは、発表のレベルアップでした。具体的には、発表資料を見やすくすることと発表の練習でした。発表資料を何度も作り替え、どこに色を付けると効果的かアドバイスをもらいました。今でいう1スライド1メッセージを徹底的にたたき込まれたのです。発表も録画し、自分の癖を知り、それを改善することを求められました。8ミリビデオがまだまだ高価な時代です。助手だったMさんが私物を持ってきてくれたのを覚えています。

 1週間、時間があったので、空き時間には、論文の誤字脱字などを見つけ、修正などを行い、論文自身も読みやすくすることができました。そして、卒論発表当日。緊張しましたが、何度も予行演習をしていたので、かなり良い発表ができました。質疑応答もそつなく回答できました。結果、私たちの研究室の4年生は評価が軒並み高いものとなったのです。

 一方、他の研究室の学生は、論文制作で精根尽き果ててしまい、プレゼン資料の方は、ぶっつけ本番になっている学生が大半でした。当然、質疑応答の準備などできるはずもなく、しどろもどろになっていたのです。

 Y教授のアドバイスがなかったら、彼らの姿は私の姿になるところでした。同じ大学、同じ学科の同じレベルの4年生でも、重要なポイントにFocusをするだけで、成果に大きな差が出ることを体感した経験でした。

世の中には2種類のバカがいるのだよ……Deepの重要性

 これも前出のY教授とのエピソードです。理系の学生だった私は数字が好きでした。いろいろな仮説を作り、それをベースに数字で議論をするのが得意でした。そんな私へのアドバイスでした。

 「世の中には2種類のバカがいる。一つは数字で何でも分かると思っているバカ。もう一つは数字では何も分からないと思っているバカ。どっちになってもいけない。

 正しく仮説ができれば7割くらいのことが分かる。大概のことは7割で判断ができる。しかし、本当に重要なことは残りの3割にあることも多い。ここは数字で表せない感性の世界。これも意識しないといけない」

 数字大好きだった私が、数字に加えて感性で深く(Deep)物事を見る重要性を知った経験でした。

神は細部に宿る……そのために他の事は効率的に行うことが大事

 これは私が2018年3月までいた会社の上司であるNさんの言葉です。重要な仕事をする場合、細部まで気を配らなければいけないというアドバイスです。

 ここまでだと、よく聞く話かもしれません。しかし、Nさんの話には続きがありました。神は細部に宿るのだけれど、全ての仕事にそんなことはできない。乾坤一擲(けんこんいってき)、ここぞという仕事に対して、細部まで気を配らないといけない。

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