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» 2018年11月28日 10時37分 公開

LINE、みずほと新銀行設立 “デジタルネイティブ”取り込みに注力

現金を使わずに支払いするキャッシュレス決済の主導権争いで競合していた銀行とIT企業の大手同士が手を組むことで諸外国からの出遅れ挽回につながる期待もある。

[SankeiBiz]
記者会見するLINEの出沢剛社長(右)ら=27日午後、東京都渋谷区

 みずほフィナンシャルグループ(FG)がLINE(ライン)との新銀行設立に踏み切ったのは、若いうちからインターネットに慣れ親しんだデジタルネイティブを取り込まなければ顧客基盤の維持が難しいとの強い危機感からだ。現金を使わずに支払いするキャッシュレス決済の主導権争いで競合していた銀行とIT企業の大手同士が手を組むことで諸外国からの出遅れ挽回につながる期待もある。

 無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)は27日、みずほフィナンシャルグループ(FG)と共同で新銀行「LINE Bank」を設立し、銀行業に参入すると発表した。2019年春にも共同出資で設立準備会社を立ち上げ、20年の開業を目指す。LINEが持つ膨大な顧客基盤と大手銀行の高い信用力を融合させて新たな金融サービスを生み出し、特に若年層の利用者を取り込みたい考え。

 「LINEを通じ旧来型銀行が苦手にする『デジタルネイティブ』への接点を持つことが第一の目的だ」。みずほFGの岡部俊胤(としつぐ)副社長は27日の記者会見で連携の理由をこう説明した。

 行内調査ではインターネット銀行の普通口座開設数は既に3メガバンクの合計を上回っているといい、5〜10年後に主要顧客になり得るデジタルネイティブの支持を受けた企業との協力が欠かせないと判断した。

 スマートフォン上で金融業務が完結するスマホ銀行は他のネット銀行も手掛けているが、LINEの巨大な「経済圏」を取り込めれば決済データの利活用を含め大きな利益が見込める。

 一方、スマホを使ったキャッシュレス決済は、LINEなどのIT企業が顧客基盤を生かして先行したが、信用力や規模で勝る銀行業界は買い物代金が銀行口座から引き落とされるデビットカードのシステムを使い巻き返しを図る構えだ。みずほ・LINE連合も新銀行とキャッシュレス決済を当面切り分ける。ただLINEの出沢剛社長は「みずほとの関係が深くなればいろいろな話ができる」とこの面でも連携に含みを持たせる。

 日本の非現金決済比率は18%と低い。「若者にとって便利で使いやすい銀行」(岡部氏)がキャッシュレスを先導すれば普及に弾みがつく可能性がある。

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