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情報は与えた人のところに集まる──キュレーショングローバル時代のスマートリーダー術――100人の経営層から(1/2 ページ)

情報が氾濫する中、必要な情報を拾い上げ、分類し、的確に伝達する能力が求められている。

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 「グローバル時代を生き抜くスマートリーダー術」というテーマで、前回は「まわりを味方につける――共に学び、共に創る」について話しました。今回は、情報量が膨大に増える中であふれる情報にどう対処したらいいのか、コミュニケーションで話題になっている、キュレーションについて話したいと思います。

膨大に増え続ける情報量

 インターネットが普及し、現在は本当に多くの情報があふれています2000年から2010年の間に情報量は600倍にも増えたという総務省のデータもあります。このあふれる情報の中から自分や自社に適切な情報を拾い出し、的確に伝えてどのように事業に結び付けていくのか。この膨大な情報をどうしたらいいのか。

 「キュレーション」という言葉がコミュニケーションの現場で今話題になっています。情報があふれる中でこの概念が求められているのですが、キュレーションとは何でしょうか。

 キュレーター(Curator)という言葉は、日本語では博物館、美術館の学芸員や館長と訳されますが、英英辞典で調べると以下のように説明されています。

Someone who is in charge of and decides what things are shown in a Museum, Zoo etc

美術館や博物館、動物園でどんなものを見せるかに責任を持ち、決める人(ロングマン現代アメリカ英語辞典より)

 彼らはあるテーマに沿って展示のコンセプトを考え、そのコンセプトに応じて展示内容を考え、空間を作っていく。つまり、来た人が楽しめるように、見せるべき絵画や作品を整理してあげる人だともいえます。

 キュレーションはそのような役割を果たすキュレーターから派生した言葉ですが、ビジネスの現場でもそのような役割があります。具体的に定義すると、

無数の情報の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人たちと共有すること。(出典:『キュレーションの時代〜「つながり」の情報革命が始まる』佐々木俊尚著)

 テクノロジーが発達し、インターネットでいろいろなものが調べられますが、その情報量はとてつもなく多いのが現状です。情報が氾濫する中で、情報を整理し、情報をどのような場にどのような方法で伝えるのか、自社に合った情報を拾い上げ、分類し、的確に伝達する能力が求められるのです。

 リーダーにとってもこの能力がとても重要になっています。一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなただけにとっての価値」「自社や自社が属する業界にとっての価値」を与えられる存在のほうが重要なのです。膨大な情報を仕分けして、それらの情報が持つ意味を分かりやすく提示できる人の価値が高まっているのです。

 以前ある経営者が社員や自身が関わるすべての人、約3000人に毎週メルマガを出し続けたことについて話ししました。その経営者は、メルマガに仕事や業務のことももちろん書きますが、最近のニュースについて自身が思うこと、日々感じたことなどエピソードを交えながら書いていたそうです。彼はまさしくこのキュレーションを行っていたのです。

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