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怒りは百害あって一利なしビジネスマンの悩み相談室(1/2 ページ)

怒りにまかせることでどんなことが起きるかを想像してみてほしい。少し考えれば、得をすることは何もないのが分かるだろう。

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 最近怒った経験のある人はいるだろうか。部下が言ったことをやらない、目標が達成できずにいらいらして怒鳴る。怒ることで何か良いことがあるだろうか。今回はそのことについて話す。

<事例>

アパレルメーカーの○○営業部のI部長は最近営業成績が悪く、少しイライラしている。部下も覇気がなく、指示を出しても話を聞いているやらどうやら。定例会議が行われた。

I部長:最近は成績が良くないな。みんなどうしているのか、1人ずつ報告してくれるか。

K君:取引先に行っているのですが、業績がよくないらしく、今は受注を増やすのは難しいと言われました。

I部長:業績がよくないのはどこも同じだろう。そこをどうにかするのが営業マンの仕事だ。なっていないな!

V君:新しいビルに入った企業に新規営業に出かけているのですが、前々から決まった業者としか取引しないと断られ、入る余地がないのです。

I部長:そこで相手にどんなニーズがあるのか聞きとって、何か提案するのが大事だろう。いったい何年営業の仕事をしているんだ!!

Sさん:先日紹介いただいた会社に行ってきたのですが、ライバル会社がすでに入りこんでいて、全然話を聞いてくれませんでした。

I部長:なんだって! ライバル会社よりも遅れるからいけないだよ。情報をつかんだらすぐに動かないと。まったく! みんななっていないな。だから業績があがらないんだ。頭を使えよ。どいつもこいつも。

みんなはしゅんとしてしまった。

そのときにI部長の机にあった書類がばっさりと落ちた。

I部長:まったく!! 


なぜ怒るのか

 なぜ人は怒るのだろうか。次のような理由があるだろう。

 (1)人に負けたくない:やはり人は負けたくない、たとえ部下であっても同じである。

 (2)自分が正しい:自分は常に正しいと思い、相手が自分と違うことを言うと腹が立ち、つい怒る。相手から何かを言われると、なんでこんなことを言われないといけないのかと腹を立てる。

 (3)プライドが許さない:何かを言われて自分のプライドが傷つけられると、大きく腹を立てる。

 (4)自分が活躍の中心にいたい:常に自分が話題の中心にいたく、それが実現できないと怒る。

 (5)劣等感:自分に劣等感を感じ、それを隠すために怒る。

 (6)自分の思いとおりにしたい:自分が思い描いていることがあり、それがうまくいかないと怒る。

 I部長の場合、自分の思いとおりにいかずに怒り、自分は正しいと思い怒っている。そして、最後にはものが落ちただけでも怒ってしまった。このように感情的になっている上司に誰がついてくるだろうか。

 一方で、一つ言えることは、人は案外怒りやすい人を怒っていたりする。ある人に対してレッテルを貼り、その人なら言いやすいからと、いつも同じ人に対して怒っている場合があったりする。

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