能力以上の成果を引き出す「思考の整理術」とは?:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
いつでもどこでも平然とした表情で成果を出すリーダーがいる。特別なエリートコースに乗っていたり、高度なスキルを持っていなくても。秘密はシンプルに考えること。
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スキルもモチベーションも高いのになぜか成果が出ないリーダー職の人を見かけます。いったいこれはなぜでしょうか? 私には不思議に思えてなりませんでした。これらのリーダーを見ていると、どうやら"あれも、これも"手を出そうとしてしまい、「思考の整理」ができていないようです。そのため、自分の能力が、充分に引き出されることなく停滞してしまう傾向にあるのです。いくら頭が良くても、スキルがあっても能力が発揮されない以上、成果は出るはずはありません。これは、とても"残念なリーダー"と言えます。
一方、いつでもどこでも平然とした表情で成果を出すリーダーがいます。特別なエリートコースに乗っていたり、高度なスキルを持っていなくてもです。このタイプのリーダーを見ていると、共通項があります。それは、頭の中で、今なにが重要か、なにが重要ではないかを「仕分け」し、シンプルに考えることができるタイプです。シンプルに考えることができれば、決断と行動がはやくなり、圧倒的な成果を上げることができます。"あれか、これか"で頭の中を「仕分け」することで、いわば能力以上の結果も引き出すことが可能になります。
私たちは、過度と言われるほど情報のシャワーを毎日浴び続けています。スマホが誕生してからは、この状況からなかなか逃れられなくなっています。
特にリーダーは、部下からも数々の情報がもたらされることでしょう。それと比例するように、頭の中の選択肢も増える一方です。そのため、いかに選択肢を増やすかより、いかに選択肢を減らし、頭をシンプルにするかが仕事で成果を得る上で重要な鍵を握るようになってきました。
そうはいっても、一足飛びに頭をシンプルにすることは容易ではありません。手順を踏んで整理整頓していく必要があります。では、どのように頭の中を整理すれば良いのでしょうか?
部屋を片づける時、衣替えの時、「今必要なもの」と「不要なもの」を仕分けします。また、カフェでお茶をした後、「可燃物」と「不燃物」に仕分けしてゴミ捨てを行います。実はこれ、頭の中も全く同じなのです。
いきなり頭の中の情報や選択肢を1つに絞るのではなく、はじめに「仕分け」をします。そうすることで、本来自分がどのような選択肢を選べば良いのか、絞り込みがしやすくなるというわけです。
資金繰りに行き詰まった、営業目標が未達成で手を打ちあぐねている、人事異動で嫌な上司の下についてしまったなど、日々、仕事上の問題が降ってきます。そんな時、あなたの頭の中はどうなりますか? "あーでもない、こーでもない"と思考の堂々巡りが始まってしまう。こんな経験はありませんか?
そこで、「自分でコントロールできること」と「コントロールできないこと」に仕分けをしてみるとどうでしょうか? いかに「コントロール」できないことに頭を悩ませていたのかに気づくことでしょう。与えられた組織やメンバーは自分では勝手に変えることはできません。ただし、営業の手法を変える、顧客ターゲットを変えてみるなど、自分でコントロールできることに集中してシンプルな頭に切り替えることは可能です。
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