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人脈づくりに近道なし人脈を科学する――つながる人、引き上げる人、できる人の法則(1/2 ページ)

お客様に気に入られ大いに営業成績をあげる人。学歴が高くミスも少ないが相手の懐に入れない人。それでも、他人がどう見るかは意識の持ち方次第である程度コントロールが可能だ。

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 今まで人脈をさまざまな角度から眺めてきましたが、人脈獲得にお手軽な近道はありませんでした。きちんと相手の意向を理解し、双方向のコミュニケーションを取ることがどのような場合でも重要でした。さらに言えば、一緒に修羅場を経験することが最も人脈の獲得に効果的でした。今回は個人の能力という視点から話したいと思います。少々身もふたもない話です。

 同じ条件で人と接しても、すぐに人脈メンバーの1人に取り込める人とそうでない人がいます。同じ客先を担当した2人の社員を考えてください。2人とも同じような社歴です。1人はひどく客先の部長に気に入られ大いに営業成績をあげました。もう片方はそこまで深く相手に入っていけない。後者の方が高学歴でミスが少ない人物であったのに、です。

 この2人の違いは何か、先方との相性という見方もできるでしょう。運ということもいえるでしょう。しかし、多くの場合前者は「人好きがする」のです。そして「人好きがする人」はそうでない人と比べて、人とつながるという点では圧倒的に得です。

「人好きがする」の中身

 人好きがする、という状態はどのようなものでしょうか。平たくいうと、接した相手の多くが自分に好意を持ってくれている状態のことです。相手の好みの範ちゅうに自分がいるわけです。一般論として、相手への好意はその人の容貌が好ましい、同じ趣味を持っているといったような個人的な親しみやすさ、信頼がおける、きちんとしているなどの社会的な望ましさ、そして積極的であるとか外交的であるといったような活動性など多面的な次元で判断されます。

 「人好きがする人」はこれらのいくつかの次元で、多くの人がもつ沢山のチェックポイントをクリアしている人です。チェックポイントといっても人それぞれですが、多くの人が好む要素というのは大体似通っています。最も根底にあるのは、相手が信頼できるかどうかでしょう。信頼を獲得することなしに、相手に心を許すことはありません。ところが、この信頼を構築するにあたって上手な人と下手くそな人がいるのもまた事実です。

 申し上げたいことは、他人がどう見るかという要素は個人の意識の持ち方次第である程度コントロールすることが可能だということです。もちろんもともと中身のない人を、大それた人物に見せることは難しい。何かの拍子で一瞬は成功したとしても持続性はありません。

 私が申し上げているのは大きく見せることではありません。見せ方を知って行動することで見せ方下手な人が被っている実力以下の評価を、実力相当に回復することが可能だということです。

人脈構築とコミュニケーション力

 仕事柄、今まで多くの人々と接してきて、いわゆる人脈のある人はコミュニケーション力に長けた人が多いといえます。コミュニケーション力を構成する最も大きな要素は前回まででさんざん話してきた言語化能力です。やりとりの中で、自分の発する情報に対して信頼を持ってもらうことが不可欠な要素なのです。

 そしてその際に、内容がしっかりしていることは当然ですが、情報のデリバリーの方法、そしてもう1つ非言語化に関連する能力です。これは「見せ方」につながります。

コミュニケーションをプロデュースする

 目は口ほどにものを言う、という格言があります。メッセージを伝える際に、言語情報以外の視覚情報が大事なのです。これは、案外難しい。そして、この部分こそが個人の努力によっていくらでも改善が可能なのです。

 話すときの表情や声のトーン、間の取り方や、その人の持つ雰囲気といったような非言語的な表現で相手に自分の意図を伝える。単に言語化するだけではなく、信頼おける情報をデリバリーすることが必要です。

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