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» 2019年03月08日 11時11分 公開

“迷子”の居場所、QRで連絡 高齢者や子供に

持ち物に付けたQRコードを発見者が読み取ると、現在地が家族などに連絡される仕組みだ。

[産経新聞]
産経新聞

 徘徊により行方不明となる認知症の高齢者が増える中、東京都千代田区の出版社「昭文社」は、認知症の高齢者や迷子の子供などを対象にした早期発見サービス「おかえりQR」を始めた。持ち物に付けたQRコードを発見者が読み取ると、現在地が家族などに連絡される仕組みだ。昨秋に一部地域で販売を開始し、先月には販路を全国に拡大。同社は「道に迷っても大丈夫という寛容な社会になってほしい」との思いで、さらなる普及促進を目指す。(久保まりな)

 おかえりQRはシール型のQRコードで、名刺ほどの大きさ。持ち物に貼る前に専用のサイトでIDとメールアドレスを登録すれば、第三者がQRコードを読み取った際、現在の状況や今いる場所の地図が登録したアドレスにメールで送られる。

 同社は「アプリなどを使っておらず、いたってシンプル」と説明する。発見者やQRコード保持者の家族らの個人情報は公開されないため、安心して使えるという。

 全国の自治体では、早期発見への取り組みとして、爪に貼ったり靴に取り付けたりするGPS機器の導入が進んでいる。こうした機器は、正確に位置情報を把握できるメリットがある一方、常に身につけているかどうかといった課題もあった。

 おかえりQRは、1シート(大中小のシール23枚)で3240円と比較的安価なのが特徴。位置情報こそ発信できないものの、「行方不明者などを見つけた人がためらわずに簡単に連絡できるツールがあってもいいのではないか」との同社社員の発想により生まれた。企画開発責任者の池田有作さん(46)は「『誰もが気軽に』を意識した」と話す。

 デザインやシールの強度の改良を重ねるなどして、昨年10月に埼玉県南部の郵便局で試験的に販売を開始。地元警察や自治体などから好評だったため、販路を全国に広げ、先月からはアマゾン・ジャパン、今月上旬には楽天市場のインターネットで取り扱いを始めた。

 同社は今後、おかえりQRの利用者を増やすとともに、シールを見た人にQRコードを読み取ってもらえるよう“見守る側”への普及促進も図りたい考え。関東での店頭販売のほか、つえなど福祉介護商品の関連会社との連携も検討している。

 池田さんは、同商品を通じ「認知症の方や子供などが道に迷っても、誰かが助けてくれるから大丈夫、という安心な社会になってほしい」と願っている。

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