ニュース
» 2019年05月16日 10時30分 公開

大手銀 脱・日本的人事 8年で管理職も 優秀人材で生き残り 

年功序列に代表される日本的雇用の典型例だった大手銀行の人事制度が変わろうとしている。

[産経新聞]
産経新聞

 年功序列に代表される日本的雇用の典型例だった大手銀行の人事制度が変わろうとしている。三井住友銀行が入行後最短8年で管理職就任を可能にするなど各行は雇用慣行にメスを入れた。利ざやの縮小など年々厳しくなる経営環境に対応するため、新たな稼ぎ口を求めて社員の潜在能力を発揮させ、優秀な人材の獲得にもつなげたい考えだ。(林修太郎)

メガバンクなどの銀行の看板。りそな銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行=東京都江東区(三尾郁恵撮影)

 「既存の組織からいかに脱却し、新しいものを求めるエネルギーを打ち出していくか。若い人にどんどん活躍してほしい」。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は15日の決算発表会見でこう述べた。三井住友銀は来年1月から一般職を総合職に統合することを検討。これまで支店長などの管理職への登用は最短で入行から10年かかったが、最短8年、30歳で昇進できるようにして若手を積極的に評価する。

 三菱UFJ銀は今年度から、これまで勤続年数の比重が大きかった給与体系を変更し、能力重視で給与額を決めるようにした。みずほFGも社内公募制度を整備し、若手を中心に意欲ある従業員を新規事業など希望職種に配置する取り組みを行っている。

 背景には銀行をめぐる経営環境の変化がある。低金利で本業の国内貸し出し業務ではもうけが出ない上、ITと金融が融合したフィンテックが登場し、異業種が決済や送金など従来の銀行の食い扶持を狙う。ビッグデータの解析など先端技術を使いこなす稼げる人材を確保することが生き残りには急務だ。

 かつて銀行は新卒の大量一括採用や終身雇用、年功序列といった日本的雇用の牙城だったが、入行すれば安定・高収入が約束された時代は既に終わった。

 行員の労働意欲を向上させ、新時代に適応できる人材を育成・獲得できるか。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「人事改革は今後、旧来の銀行ビジネスが通用しなくなるのではないかという危機意識の表れだ」と指摘した。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆