ニュース
» 2019年06月13日 10時33分 公開

総合不動産各社がホテル事業強化 インバウンド拡大に対応

訪日外国人旅行客の急増に対応するため、不動産各社がホテル事業の強化を加速している。

[産経新聞]
産経新聞

 訪日外国人旅行客(インバウンド)の急増に対応するため、不動産各社がホテル事業の強化を加速している。来年開催の東京五輪・パラリンピックを前にした需要増に加え、東京都心の地価上昇などを背景にマンション用地としては採算が合わず、ホテルへの転換を余儀なくされるケースも増えており、各社は上質感などの特色をアピールし、需要取り込みを急ぐ。

 三井不動産は手掛けるホテルの客室数を令和2(2020)年度末までに、現在の1.5倍にあたる1万室体制へと大幅拡充する。従来の「ガーデンホテル」に加え、ワンランク上の「ザ・セレスティン」ブランドを新設定。いずれも宴会場などを省く代わりに、上質感ある広い客室が特徴の「宿泊特化型」だ。

 ライバルの三菱地所も、これまでばらばらだったホテル開発や運営、リゾートホテル開発などの各事業を集約。ホテル事業の体制を強化する。三井と同様にプレミアムクラスの宿泊特化型ホテルの新ブランド「アイコニック」を追加して、攻勢をかける。

 各社をホテル事業の強化に駆り立てるのは、観光地や都市部を中心とした急激な宿泊需要の増加だ。

 政府は訪日客数を2年に4000万人、12年には6000万人まで拡大させる目標を掲げ、ビザ緩和などの政策効果もあって実際の訪日客数も順調に増加する。だが受け入れるホテル客室数は追いついておらず、東京五輪期間中のみならず、それ以降も客室数の不足が続くと予測されている。

 別の事情もある。東京都心の地価上昇で、住宅向け用地が分譲、賃貸マンションとして販売すると高価格になりすぎ、ホテルでないと採算が合わないケースも出ており、中規模マンション用だった駅近の立地を、同サイズの宿泊特化型ホテルに切り替えるといった取り組みを進めている。

 一方、宿泊特化型ホテルでは飽き足らない富裕層の取り込みを目指すのが、高級ホテルの強化を進める森トラストだ。マリオットなど高級ホテルブランドと提携し、日本各地の都市やリゾート地でホテルを展開。全国の観光地を回遊する海外富裕層の“ブランド志向”に働きかける狙いだ。

 海外と比べ、日本は高級ホテルが少ないとされており、同社は「高級ホテルの拡充が富裕層を中心とした宿泊客の獲得につながる」と差別化を強調している。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆