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» 2019年06月20日 10時37分 公開

五輪時の交通緩和対策、真の狙いは企業経営の効率化 「スムーズビズ」大会後も継続へ

東京五輪・パラリンピックでは大会の円滑な運営のために多くの企業が協力し、都心の混雑回避のための対策に取り組む。

[産経新聞]
産経新聞

 東京五輪・パラリンピックでは大会の円滑な運営のために多くの企業が協力し、都心の混雑回避のための対策に取り組む。日中の使用車両の抑制、従業員の時差通勤などで、19日に大会組織委員会が概要を発表した今夏のテストにも積極的に参加する。実はこうした対策は五輪・パラリンピックのためだけでなく、「レガシー(遺産)」として大会後も継続し、企業経営の効率化を図ろうという真の狙いがある。

 東京五輪は世界最大規模の経済物流拠点、そして、人口過密のエリアで行われる大会。同規模大会の成功例とされる2012年ロンドン五輪で取り入れられた一部の施策をモデルにしている。ロンドン市当局は従業員の時差出勤や物流対策が大会後も功を奏し、企業コストの削減につながっていると報告している。

 都心への人、モノの流入を減らす「スムーズビズ」と称する取り組みを推進している東京都の担当幹部は「五輪をきっかけに長年の懸案だった企業改革案に挑むことができる」と、その効果を打ち明ける。

 都の呼びかけに応じ、日本を代表する企業が次々に自社の「スムーズビズ」対策を発表している。

 NECは五輪期間中の1週目、全社員を在宅勤務にし、2週目は全社一斉で夏季休暇を取らせる。全日空は、帰省先で在宅勤務を認める「テレさとワーク」を推奨する。都心の本社などに出勤する人数を大幅に減らし、東京大会の交通緩和対策に貢献する。

 物流業界も他社と一緒に共同物流に取り組んだり、混雑するルートを避け、夜間などの運搬を増やすことで、日中の首都高などの混雑緩和につながることが期待されている。

 「企業経営の効率化がいっそう進めば、何よりも東京の未来にとって大きい」と都幹部。東京の混雑緩和策は五輪パラの成功と経済活動の維持の両立を図る、過去大会に類を見ない取り組みとなる。効果が大きければ大きいほど、24年大会のパリ、28年大会のロサンゼルスが取り入れるモデル事例となり得る。東京大会のレガシーは今後の五輪運営全体に波及する可能性もあるだろう。(佐々木正明)

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