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» 2019年08月20日 10時00分 公開

【経済インサイド】会津若松に外資や大企業が続々 ITビジネスの地方創生モデルに (2/2)

[産経新聞]
産経新聞
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 三菱商事は4月にデジタル戦略部を新設した。海外や営業部門との兼務など総勢100人超の組織で、デジタル技術を使った課題解決に取り組む。会津若松市ではまず、カーシェアリングの実証試験に乗り出す。

 会津若松市には、最大約500人が都市から移住する可能性があり、全員が車で通勤するのは効率的ではない。カーシェアリングにより、効率的な人の輸送や、車の排出ガス量の削減を目指す。

 このほか、「ローソンや地元スーパーと連携し、(セルフレジなどを活用した)24時間の無人店舗を実現したい」(デジタル戦略部)と意気込む。

 アイクトに入居する企業は、デジタル技術や住民の個人データの利活用で、ヘルスケアや農業、小売りなどの新サービスにつなげたいと考えている。そして、人口減少という課題を抱える地方にこそ、ビジネスチャンスがあるとも考えている。

 会津若松市は7年のピーク時に13万7066人だった人口が、現在は約12万人に減少した。公共交通機関の利便性がいいとはいえない。さらに、東日本大震災の風評被害に加え、半導体関連の電子部品メーカーの海外生産シフトで製造業従事者が大幅減少したことも響いた。手をこまねいていれば、過疎化が避けられない典型的な地方都市で、人口減少への歯止めは待ったなしだった。

 会津若松市や地元住民も、データ流通や活用に積極的だ。デジタル技術を使った農業支援を始めたほか、IT企業と地元医療機関の間を取り持ち、インターネットテレビを使ったオンライン診療などが視野に入る。アクセンチュア・イノベーションセンター福島の中村彰二朗センター長は「今後は地元採用者を増やしたい」と話す。

 政府は、27年度から5年間の地方創生の指針「第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、東京圏と地方との転出入を均衡させる目標などを示した。会津若松市の事例のように、大都市から仕事と人材を一体的に地方に移転するような試みは、出身地に戻る「Uターン」、地方に移住する「Iターン」支援に続く第3の手法となりうる。(経済本部 上原すみ子)

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