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» 2019年09月09日 10時46分 公開

【国際情勢分析】インドネシアが新首都建設へ 世界の首都移転その後 (1/3)

実現にはリーダーシップと強い意志が求められるといえそうだ。

[産経新聞]
産経新聞

 インドネシアが人口過密のジャカルタから新首都建設を決めた。これまでも世界各国では人口増や都市間の綱引きの結果など、さまざまな理由で首都移転が行われてきた。実現には多くが数十年を要しており、まさに「国家の大計」といえる。実現にはリーダーシップと強い意志が求められるといえそうだ。(シンガポール 森浩)

移転で「最も重要なもの」とは?

 インドネシアではジャカルタの過密ぶりや一極集中の懸念から首都移転の必要性が高まり、ジョコ大統領は8月、カリマンタン島(ボルネオ島)の東カリマンタン州に移すことを決めた。「現地には国有地も豊富にあり、首都建設に最適だ」と理由を挙げている。

 インドネシアの長年の懸案に着手したジョコ氏。「何より新首都建設は相当な政治的リーダーシップがないと進まない」と話すのは立正大学の山口広文特任教授(都市計画)だ。移転地の選定では必ず、地域間の利害対立や候補地の土地買い占めなどの問題が発生する。山口氏は「それを乗り越えるのはリーダーの強い決意と合意形成、調整能力ともいえる」と分析する。

 日本でもバブル期の1980年代に首都機能移転議論が高まり、「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」が候補地として選ばれたが、そのまま立ち消えとなった。山口氏は「移転実現を果たすまでの強いリーダーシップがなかったことで進まず、その上でバブル崩壊で地価が下落して移転の必要性が減ったことで頓挫した」と解説する。

 4月に再選を決めたジョコ氏にとって、今のタイミングが“リーダーシップ”を発揮できると考えたのだろう。野党側は466兆ルピア(約3兆5千億円)の移転費用に反発。環境保護団体は、カリマンタン島には野生のオランウータンをはじめとする希少な動植物が生息していることから、環境破壊に懸念を表明しているが、ジョコ氏は移転を目指す考えだ。

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