ニュース
» 2019年11月07日 10時06分 公開

消費増税後のQRコード決済3倍 民間調査 ポイント還元需要取り込み

他の決済手段が微増にとどまる中、独自にポイントを上乗せするといったキャンペーンをタイミング良く打ち出し、ポイント還元策で喚起された需要を取り込んだ。

[産経新聞]
産経新聞

 政府のキャッシュレス決済に伴うポイント還元策が10月に始まってから、「QRコード」を使ったスマートフォン決済の利用率が、今年3月に比べて3倍の35.7%に急拡大していることが6日、ITと金融を融合したフィンテック企業、インフキュリオンの調査で分かった。他の決済手段が微増にとどまる中、独自にポイントを上乗せするといったキャンペーンをタイミング良く打ち出し、ポイント還元策で喚起された需要を取り込んだ。

 調査は今年3、10月にインターネットを使って全国の男女2万人(16〜69歳)を対象に実施。使用している決済手段を複数回答方式で聞いたところ、QRコード決済の利用者は3月に11.6%だったのが10月は35.7%に増加した。Suica(スイカ)などの電子マネーやクレジットカード決済など、他のキャッシュレス決済はいずれも微増か横ばいだった。また、45%の人が10月以降、キャッシュレス決済を利用する回数が増えたと回答した。

 QRコード決済が増えた背景について、インフキュリオンの担当者は「各社が競うようにインパクトのあるキャンペーンを打ち出したことに加え、申し込みが簡単で始めやすい点も奏功した」と分析する。

 QRコード決済利用者のうち、最も利用率が高いのが「PayPay(ペイペイ)」で63.8%。次いで「LINEペイ」(29.6%)、「楽天ペイ」(28.8%)−だった。

 ペイペイはソフトバンクとヤフーが共同出資しており、昨年10月のサービス開始から導入店舗の拡大に注力。今年10月1日の時点で全国約150万店(自販機など含む)と、使える店舗の多さも利用者の増加に寄与したとみられ、ソフトバンクの宮内謙社長も5日の決算記者会見で「独り勝ちの状況になりつつある」と自信を見せた。

 ただ、QRコード決済には課題も残る。大和総研の長内智主任研究員は「利用者の多くがポイント目当てのため、魅力が失われた時点で離れていく可能性がある」からだ。各社はユーザー獲得のために大規模なキャンペーンを打ち出してきたが、収益悪化の要因にもなっている。来年6月には政府のポイント還元も終了する。長内氏は「利用者をつなぎ止められる新たなサービスが生み出せるかが重要になってくる」と話している。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆