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» 2019年12月20日 10時24分 公開

電力使用量もビッグデータに活用 新ビジネス創出へ (2/2)

[産経新聞]
産経新聞
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 現在の電気事業法では、電力会社以外の使用は認められていない。しかし、ビッグデータの活用を成長戦略に盛り込む政府としては、規制をなくしていきたいところ。そこで、経済産業省の有識者による議論が進んでいる。

 スマートメーターのビッグデータの活用では、さまざまな事例が想定されている。

 夕方、一般家庭の電力消費量が急に増える時間があるとすれば、昼間不在だった家人の帰宅時間が浮かび上がる。地域でそういった時間を把握できれば、帰宅時間のピークも推測できる。その時間に合わせて、地域のスーパーでは、レジ要員を増やしたり、時間帯別のセールを実施したりできる。

 また、個人を特定する契約が可能な場合は、年配の人が住む家庭の電気や水道の利用状況を確認できれば、通常とデータが異なることで、異常があったのではないかと類推でき、遠隔での見守りサービスも可能になる。人手不足が問題となっている運送事業でも、在宅かどうかが分かれば、効率よく配達ができるようになる。

 だが、全てがポジティブというわけではない。問題はセキュリティーやプライバシーの保護だ。特に、電力を使っていないことが分かれば、それは留守を示すことと同じだ。不法侵入、空き巣を呼び込む懸念もあり、情報の高度な管理が欠かせない。

 そこで出てきたのが、個人からデータを預かって企業に提供する「情報銀行」を介する仕組みだ。これによって、セキュリティーやプライバシー保護の問題の解消を図る考えだ。状況に応じては、個人を特定しないケースや、利用者の了解を得て、個人を特定する代わりに、高度なサービスが受けられるといったことも、情報銀行が仲介する。

 経産省の有識者会合ではすでにおおむね合意が取り付けられており、来年の通常国会に電気事業法改正案を提出し、早期に仕組みの導入を図っていく方針だ。(経済本部 平尾孝)

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