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» 2020年02月06日 10時31分 公開

偽ニュース対策、各国が法制化 国内の自主規制は実効性が課題に

選挙の公正性や国家の安全保障を揺るがす恐れもあり、法規制導入などの対策に各国が本腰を入れている。

[産経新聞]
産経新聞

 政府がフェイク(偽)ニュース対策を進める背景には、世界で問題が深刻化していることがある。米国の大統領選挙や英国の欧州連合(EU)離脱を決める国民投票などでは世論操作に使われたとされる。選挙の公正性や国家の安全保障を揺るがす恐れもあり、法規制導入などの対策に各国が本腰を入れている。

 「最近では新型コロナウイルスに関する偽ニュースが多く出回っている。スピード感を持って着実に取り組みたい」。総務省の谷脇康彦総務審議官は5日の有識者会議で偽ニュース対策の重要性を強調した。

 海外では日本に先駆けて対策の議論が進む。フランスでは2017年の仏大統領選でSNS(会員制交流サイト)で候補者を攻撃する真偽不明の情報が拡散したことなどを踏まえ、選挙に関する偽情報の申告があった場合、裁判官がプラットフォーマーに送信防止を命じることができる法律が18年に制定。ドイツやシンガポールなどでも相次いで法規制が成立している。

 一方、日本での対策は法規制ではなく、IT企業に自主的な取り組みを促すことが柱となった。海外と比べれば深刻な問題になったケースが少ないうえ、表現の自由を萎縮させるとの懸念が多くの関係者から強く指摘されたことから「最初から規制をつくって前のめりになる必要はない」(総務省担当者)との判断だ。

 だが、「自主規制のみではうまく機能しないのではないか」(有識者)との意見もある。5日に有識者会議がまとめた最終報告書には自主的な取り組みが不十分だったり、効果がないと認められる場合には「行政からの一定の関与も視野に入れて検討を行うことが適当」と明記された。今回、日本で示された対策がどこまで実効性を伴うかが、今後の政府の介入度合にも影響を与えることになりそうだ。(万福博之)

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