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» 2020年03月10日 10時13分 公開

次世代交通「Maas」 鉄道各社、“稼ぐ力”に工夫の余地 (1/2)

JR東日本や東急など鉄道各社がスマホを利用した「観光型」で実証実験を重ね実用化も視野に入れるが、肝心の認知度が低く、普及へのハードルは高い。

[産経新聞]
産経新聞

 最新のスマートフォンアプリの技術を駆使して、人の移動をスムーズにする次世代交通サービス「MaaS(マース)」。JR東日本や東急など鉄道各社がスマホを利用した「観光型」で実証実験を重ね実用化も視野に入れるが、肝心の認知度が低く、普及へのハードルは高い。提供エリアも限られることから、顧客層はそう大きくならないとみられ、付帯サービスが広げにくく、“稼ぎ”が限定的になるとの見方もある。

イズコのデジタルフリーパス画面=2月9日、静岡県伊東市

 マースは「Mobility as a Service(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の略称で、利用者のニーズに合わせて鉄道、バスなど多様な交通手段を一体的に提供するサービスのこと。利用者がスマホのアプリで交通手段の検索や観光施設、飲食店での決済などを一気通貫でできるのが特長だ。民間調査会社の矢野経済研究所の調べによると、市場規模は令和2年見通しで1940億円。それが12年に6兆3634億円と、2年見通しの30倍以上に拡大すると予測する。

 マースで先頭を走るJR東は東京や新潟、仙台などに続き、4月から群馬でも観光に便利な機能を加えて実証実験を始める。東急は静岡・伊豆での実験を踏まえ、実用化の検討に入る。このほか、小田急電鉄は新宿駅や新百合ケ丘駅(川崎市)の飲食店で使える定額制サービスと組み合わせたマースを実験。福岡市と北九州市では、西日本鉄道、JR九州、トヨタ自動車などが、鉄道の経路検索やタクシー、カーシェアリングの予約を一つのアプリで提供する。

 主に鉄道会社が成長が見込める有望市場と位置づけ全国各地で力を入れているが、実験レベルがほとんどで本格的な普及にはいたっていない。大和総研によると、東京23区に住む人を対象にした認知度は、相対的に高かった20代男性でさえ50%に届いていない。全体的に「知らない」の割合が高く、スマホ操作の苦手な人が多いとされる60代以上の高齢者層では男女とも「知っている」はほぼみられない。便利さは伝わっていないのが現状だ。

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