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» 2020年06月22日 08時12分 公開

コロナ追跡アプリ、カギは普及率 56%利用で感染防止に実効性

感染者の早期発見など流行の第2波を防ぐ対策として期待されるが、感染拡大の抑制には6割近くが利用する必要があるとの研究報告もある。

[産経新聞]
産経新聞

 感染者との濃厚接触を通知する政府主導のスマートフォン用アプリの提供が19日、始まった。感染者の早期発見など流行の第2波を防ぐ対策として期待されるが、感染拡大の抑制には6割近くが利用する必要があるとの研究報告もある。感染が周囲に伝わることを警戒して導入には慎重な声は根強く、実効性のある対策にできるかは、今後の普及にかかっている。

 同種アプリは海外でも導入が進んでいるが、中国や韓国のようにGPS(衛星利用測位システム)による位置情報は用いず、近距離無線通信(ブルートゥース)で利用者同士が接触した記録をやり取りする。日本と同じこの方式を取るシンガポールは政府がデータを収集するが、日本の場合はデータはスマホ内にとどめる。利用者の不安を少しでも払拭するための措置で、アプリを運営する厚生労働省の担当者も「新型コロナ以外では使わない」と強調する。

 プライバシー保護に最大限の配慮をした設計だが、課題は普及率だ。英オックスフォード大の研究では、都市封鎖なしで第2波の感染拡大を抑えるには、全人口の56%がアプリを利用して感染リスクを把握する必要があるとしている。

 一方、16日から同種アプリの提供を始めたドイツは初日に総人口の約8%にあたる650万件がダウンロードされたが、世論調査では約4割が「利用したくない」と答えた。3月下旬に世界に先駆けて運用を始めたシンガポールでも普及率は約3割と低迷している。

 また、日本では1日の新規感染者数が最大でも800人未満で、現在は数十人にとどまる。数万人単位で新規感染者が見つかる欧米に比べ、感染者と濃厚接触する可能性は低く、アプリを入れてもまったく通知が来ないという事態も予想される。途中で利用を取りやめる人が出るなどアプリの普及が進まない一因になりそうだ。

 厚労省の担当者は「コロナの収束まで長期間利用してもらいたい」と、通知がなかったとしても利用継続を呼びかけるが、アプリの効果に関する分かりやすい説明と有効性の周知が求められている。(高木克聡)

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