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» 2020年06月30日 08時02分 公開

増えるオーケストラのライブ配信 コロナ後の「事業の柱」と期待 (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

楽屋を探訪

 今年2月以降、コンサートが軒並み中止となる中、クラシック専門の配信サービス「カーテンコール」は、大阪フィルをはじめ、京都市交響楽団、山形交響楽団などの無観客コンサートを配信してきた。昨年秋から事業を始め、今年10月にサイトを本格化させる予定だが、コロナの影響で配信事業は先行して進める。

 運営する「12DO」(東京都大田区)社長の酒井光一さんは「全国のオケや自治体ホールから一緒に仕事がしたいと問い合わせも多くいただいています」と話す。

 大阪フィルのライブ配信では、曲と曲の間の休憩時間に、ホールの楽屋を探訪する映像を流すなど、視聴者を飽きさせない演出を施した。今後のライブ配信では、オーケストラの地元の食材や観光地を紹介して、視聴者が各地に実際に足を運びたくなるような仕掛けづくりも考えている。

 「地域のオーケストラを街ごと応援したい。配信をきっかけに、コンサートの現場に行ってもらいたい。数十人以上の音楽家が懸命に音を出す。一度そのライブに触れたら、オーケストラの魅力にはまるはず」と酒井さん。コロナ後のオーケストラの新しい聴衆づくりにも、配信を活用してもらいたい考えだ。

寄付で応援

 日本フィルハーモニー交響楽団は7月以降に実施するコンサートで、有料のライブ配信を同時に行う。イベントの開催制限が続く中、来場できないファンのためだけでなく、遠方や、すぐには駆け付けられないファンに音楽を届けることのできる新しい手段として有効だと考えている。

 一方、関西フィルハーモニー管弦楽団は演奏会の中止が相次いだ間、楽団員同士がテレワーク演奏を行って動画配信するなど、楽団のPRに努めてきた。その経験を生かしながら、7月には、楽団員で作る弦楽四重奏団のライブ配信を、スポンサー企業の協力で行う予定だ。無料配信するが、視聴者は千円の「応援チケット」をウェブ上で購入して、寄付できる。専務理事の浜橋元さんは「楽員たちの動画配信には全国各地から反響があった。これからのオーケストラの表現手段の一つとして配信は有効」と考える。

コンサートの中止や延期が続く中、関西フィルハーモニー管弦楽団では、楽団員でテレワーク演奏を行い、配信した(関西フィルハーモニー管弦楽団提供)

 ただ、配信するにも経費は必要で、相次ぐ公演中止で経営が苦しい地方オーケストラがそう簡単に進められる事業でもない。各オーケストラは、政府の第2次補正予算の文化支援予算で計上された「動画収録・配信による取り組みへの支援」に期待する。

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