ニュース
» 2020年07月10日 08時30分 公開

流通業界が金融事業強化 コロナ禍がもたらす“後発組”の勝機 (1/3)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って外出自粛が広がり、屋台骨だった店頭での衣料品販売などが不振にあえぐ中、高収益事業として改めて熱視線が注がれる。

[産経新聞]
産経新聞

 百貨店など流通各社が金融サービス事業のテコ入れに着手している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って外出自粛が広がり、屋台骨だった店頭での衣料品販売などが不振にあえぐ中、高収益事業として改めて熱視線が注がれる。店舗での購買行動から消費者の興味や関心を把握できる強みも生かし、収益源とすべく新たなサービスの形を模索している。

高島屋が高島屋日本橋店に開設した「ファイナンシャルカウンター」。資産形成や承継の相談に応じ、金融商品も多数取り扱う=6月中旬、東京都中央区(佐久間修志撮影)

 「今後、100億円の営業利益を上げる収益部門に育て上げていく」。高島屋が日本橋店に投資信託などを販売する窓口「ファイナンシャルカウンター」を開設した6月17日、村田善郎社長は金融事業を百貨店、不動産と並ぶ第3の収益の柱にすると強調した。

 ファイナンシャルカウンターは、高島屋の子会社と業務提携したインターネット証券大手、SBI証券が扱う約2600種類の投資信託や信託会社の遺言信託などの商品をそろえる。信託会社と新たな商品を開発し、取り扱い内容を充実させる。土日も営業し、資産形成セミナーのオンライン開催も予定している。

 「高島屋が培ってきた顧客との信頼関係がある」。村田氏は金融事業の比重を高めていく上で、高島屋の強みをそう強調する。「新型コロナによって、余計な出費は抑え、豊かな人生設計に関することは出費を惜しまない“消費の二極化”が進んでいくと思う。信託商品などは顧客のニーズに沿った作りこみをしたい」と勝算を語った。

クレカ事業も見直し

 「新型コロナでモノの売り上げが伸び悩む中、流通企業にとって比較的少ない投資で高収益を得られる金融事業の重要性はますます高まっている」。流通コンサルタント事業を手がけるムガマエ(東京)の岩崎剛幸社長は業界の潮流を語る。

 もともと百貨店やスーパーは固定客の囲い込みを目的に、関連子会社などを通じ、自社店舗利用でポイントが付くクレジットカード事業などを手がけてきたが、「以前は本業の小売り事業が主軸で、金融事業は副業的な位置づけという事業者がほとんどだった」(岩崎氏)という。

       1|2|3 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆