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» 2020年08月26日 08時02分 公開

「なんちゃって5G」にドコモ慎重 速度かエリアか、対応割れる

今春から商用サービスが始まった第5世代移動通信システムの基地局整備で、携帯電話大手の対応が割れている。

[産経新聞]
産経新聞

 今春から商用サービスが始まった第5世代(5G)移動通信システムの基地局整備で、携帯電話大手の対応が割れている。総務省は近く、すでに普及した「4G」に使われている周波数帯を「5G」に転用できるよう規則を改正する。これを受け、KDDIとソフトバンクは、既存の4G基地局を5Gに転用して通信エリアを拡大する方針だが、ドコモは25日、5G特有の品質を重視し、時間をかけても専用基地局を整備する方針を明らかにした。

 ドコモの中南直樹技術企画担当部長は25日、都内で開いた5G整備計画説明会で、4Gの転用は当面せず「新たな周波数帯で5Gを積極的に展開する」と述べた。転用では「超高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」という5G本来の性能が発揮できず、名ばかりの「なんちゃって5G」となる。利用者に魅力をアピールできず、自動運転などへの活用も期待される技術に育たないとの判断だ。

 周波数帯の転用は、8月下旬から9月上旬をめどに総務省が解禁する予定。携帯会社は、既存の4G基地局を5G基地局に置き換えたり、4Gと5Gの両方に対応した基地局を導入することができるようになり「基地局設置の期間短縮やコスト削減につながる」(総務省)。

携帯電話大手3社などの看板=東京都千代田区

 解禁を受け、KDDIとソフトバンクは来年度末までに、それぞれ5G基地局を5万局超に前倒しする方針を打ち出した。一方、5G専用設備にこだわるドコモの同期計画は2万局にとどまる。

 5Gの周波数帯は電波が遠くまで飛びにくい特性があるが、電波が飛びやすい4Gの周波数帯を転用することによって、通信エリアを一気に広げられるメリットもある。

 一方、ドコモが周波数帯の転用に慎重な理由は、そのデメリットも大きいためだ。転用では、通信速度が4Gと同程度にとどまり、5G本来の特長である超高速大容量通信を実現できない。また、転用により4Gで利用する周波数帯が減れば「4Gの通信速度も低下しかねない」(中南氏)。

 5Gの「エリア」と「速度」のいずれを重視するかで対応が割れた形だが、総務省担当者は「双方の特性を兼ね備えたサービスの普及が期待される」と各社の取り組みを見守る姿勢だ。

(万福博之)

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