新型コロナウイルスの感染拡大は電機、電子部品メーカー各社の令和2年4〜6月期連結決算に大きく影響した。外出規制やテレワークの拡大で自動車向けやオフィス向けの製品が幅広く低迷した一方、巣ごもり需要を捉えたゲーム機など一部の製品が伸長。各社は感染対策と経済活動の両立を前提とした製品やサービスの開発が求められている。(山本考志)
「航空、車載関係への収益インパクトが大きい」
パナソニックの梅田博和最高財務責任者(CFO)は7月30日に開いた4〜6月期連結決算の発表会見で、新型コロナの影響についてこう説明した。
決算では売上高が前年同期比26.4%減の1兆3919億円、最終損益が98億円の赤字(前年同期は497億円の黒字)となり、4〜6月期としては9年ぶりの赤字に。同時に発表した3年3月期連結業績予想は売上高見通しが前期比13.2%減の6兆5千億円、最終利益見通しが55.7%減の1千億円とした。
世界各国で将来への不安から自動車の買い控えが続くほか、渡航制限で航空機の需要が落ち込み、関連製品が不振に陥ったことが響いた。
一方で梅田CFOは空調機器や第5世代(5G)移動通信システム関連などの製品で販売が伸びているとし、「しっかりとした増産投資で事業を構造転換して今年度をやりきる」と話した。
自動車産業の低迷は電子部品メーカーにもおよび、オムロン、京セラ、日東電工、日本電産、村田製作所、ロームの大手6社の4〜6月期決算はいずれも減収となった。
近年は自動車の電装化で電子部品の点数が増え、業界への追い風となっているが、村田製作所の竹村善人常務執行役員は7月31日の決算会見で「新型コロナ禍が最終消費にどう影響するかを考えると楽観はできない」と慎重な姿勢を見せた。
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