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» 2020年10月08日 07時52分 公開

災害支援に新たな共助 「シェア」サービスが存在感 (1/2)

新しい災害支援の手段として「シェアリングエコノミー」の活用が進む。個人で備える「自助」と、国や自治体の「公助」の隙間を、シェアリングサービスの「共助」「共有」の仕組みが補っている。

[産経新聞]
産経新聞

 新しい災害支援の手段として「シェアリングエコノミー」の活用が進む。街にある貸し充電池サービスが災害後に無償開放されたり、普段はオフィス街でランチを売るフードトラックが夜には炊き出しに駆けつけたり。個人で備える「自助」と、国や自治体の「公助」の隙間を、シェアリングサービスの「共助」「共有」の仕組みが補っている。(津川綾子)

 モバイルバッテリー(スマートフォンの充電池)の無人レンタルサービス「チャージスポット」を展開するインフォリッチは、震度6以上の地震や大型台風の被災地で充電池を無料で48時間貸し出している。

 チャージスポットはコンビニエンスストアや郵便局、鉄道の主要駅など全国に約2万カ所ある。通常は1時間未満の利用で150円、1〜48時間以内だと300円で、専用アプリか「LINE」「d払い」のアプリでチャージスポットのQRコードを読み取って借りる。それを災害時は無料で貸し出し、情報収集や連絡に欠かせないスマホの電源切れを防ぐのに役立ててもらう。 

 実際、災害発生直後の電源確保は課題だ。ホームセンター大手のDCMホールディングスが平成30年、地震や台風でライフラインを断たれた経験がある100人に、発災後3日間にあってよかったものやなくて困ったものなどを複数回答で聞いたところ、モバイルバッテリーが84%となり、水(51%)、保存食(44%)を上回った。

 「災害直後、被災者に情報が途切れないよう、スマホの充電手段を確保するのは防災面でのナショナル・レジリエンス(国土強靭化)を図ることにもなる」と、インフォリッチの児玉知浩社長。今後は水害時の支援基準も詰めていく。

小さなニーズに対応

 ほかにもシェアリングサービスが災害支援に乗り出している。米民泊仲介大手エアビーアンドビー(以下、エアビー)は被災者や被災地入りした支援者らに無償で部屋を提供する「オープンホーム」を実施。国内では平成28年の熊本地震などでホスト(民泊提供者)がボランティアに宿泊場所を提供している。

 また、街の空きスペースにフードトラック事業を展開するメロウは昨年9月、フードトラック事業者とともに被災地で炊き出し支援する「フードトラック駆けつけ隊」を結成。同月、台風15号で停電した千葉県で、延べ32台が温かい食事4000食を提供した。

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