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» 2021年01月20日 07時57分 公開

全固体電池 安全・高容量 EV搭載に期待(2/3 ページ)

[産経新聞]
産経新聞

 トヨタは他にも次世代電池を開発しているが、「現時点では最も(自動車への搭載という意味で)実用化に近い」と話す。

 車載用電池はEVのコストの約3割を占め、走行距離などの性能を大きく左右するだけに、トヨタとしても開発で後れをとるわけにはいかない。

 日本は国別の関連特許でも他国をリードしている。

 ただ、現状では課題も多い。たとえば電解質が固体だと、伝導率を高め、イオンを高速で行き来させるのが難しい。期待されているような性能の発揮や量産技術の確立を困難とみる経営者や研究者は少なからず存在する。

 それでもこの次世代電池への期待は大きく、国際的な開発競争は激しさを増している。

 今月9日、自動車業界に激震が走った。「中国版テスラ」と呼ばれるEVベンチャーの上海蔚来汽車(NIO)が、新型セダンとともに全固体電池とみられる大容量電池を発表し、22年3月から搭載を可能にすると表明したのだ。詳細不明な部分が多く、電解質をゲル状にするなどした「半固体電池」だとする見方もあるが、発表はすでに高値となっている同社の株価をさらに押し上げた。

 日本の自動車産業は、品質の高さや安全性などを強みに世界トップクラスの地位を築いてきたが、全固体電池の登場で競争のあり方が根底から覆され、その地位を海外勢に奪われる可能性も否定できない。

 すでに半導体や液晶、スマートフォンでは日本の地位が大きく低下している。

 電池も優位性が揺らいでいる製品の一つ。リチウムイオン電池の開発では旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞し、商品化でも1991年にソニーが世界に先駆けた。だが、車載用電池で現在トップに立つのは中国の寧徳時代新能源科技(CATL)。日本はパナソニックが2位につけてはいるものの、韓国勢にも押されているのが現状だ。従来の中国や韓国はコスト競争力を唯一最大の強みとしてきたが、近年は開発スピードや資金力でも日本を上回りつつある。

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