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» 2021年03月03日 07時49分 公開

注目の常時接続「リモートアワー」手掛けた日本人起業家

事前に予定を決める必要がある会議アプリなどとは異なり、話し相手の部屋をノックするだけで会話が成り立つ仕組み。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルス感染拡大でオンラインでのやりとりが日常化する中、米シリコンバレー発のウェブ会議サービス「Remotehour(リモートアワー)」に注目が集まる。事前に予定を決める必要がある会議アプリなどとは異なり、話し相手の部屋をノックするだけで会話が成り立つ仕組み。サービスを手がけるのは、音声の会員制交流サイト(SNS)「Clubhouse(クラブハウス)」を日本に広めたとされる日本人起業家の山田俊輔さん。リモートワークが広まる世界で、「つながりたい人とつながりやすくする」チャンスを広げるサービスを目指している。

米シリコンバレーでリモートアワーを開発した山田俊輔さん

クラブハウスでチャンスつかむ

 山田さんはクラブハウスの試作版を昨春のスタート時から利用しており、昨年末、運営会社から配られた招待枠で日本の起業家を招待、日本で広まるきっかけを作ったとされる。自らは、クラブハウス上で著名投資家らと知り合いになり、事業開発について相談にのってもらうことができた。

 その山田さんが昨年3月にスタートさせたのが、ウェブ会議サービスのリモートアワーだ。利用者は自分の部屋を開設する。常時接続の状態にしてあれば、利用者に話しかけたい場合は、部屋をノック、つまりURLをクリックするだけで、動画で話しかけることができるという。

常時接続で話したいときに話せるリモートアワー

 会議アプリ「Zoom」などとは異なり、事前に会議の開催日時を決める必要がなく、相手の都合さえよければ、すぐに話せるのが便利で、リモートワークのコミュニケーションを円滑化するのに役立つと考えられている。米ITメディアでも取り上げられ、大きな話題となった。

 山田さんは「リモートワークはそもそも時差やエリアに関係なく仕事ができるメリットがある。常時接続によってさらに、そのメリットを強調できるはず」と話す。

50の挑戦を繰り返して

 平成26年、山田さんは、大学卒業後入社したソフトバンクを1年で退社し、起業を夢見て渡米した。現地の100社近くのスタートアップ企業の経営者らにインタビューを敢行、動画投稿サイト「YouTube」で配信しながら、米国の起業事情を肌で感じ取ったという。

 その後、一時帰国。国内でフリーランスとして、プログラミングなどを請け負いながら資金をためて約2年後に再び渡米し、以来、さまざまなサービスを世に出してきた。例えば、山田さんのように個人の起業家が作り出したウェブサービスやスマートフォンアプリなどをインターネット上で売買できるサイトを作って、売却するなど、生み出したプロダクトの数は大小50近くにのぼる。

 「とにかく、情熱を持って、ひたすらアイデアを思いつくままコードを書いて、アプリやサイトなどのプロダクトを作っては発表して、うまくいったら売却して、を繰り返していました」と振り返る。

 現在手掛けるリモートアワーのアイデアに行きついたのは一昨年末。フリーランスで、複数の発注者や技術者らとのやりとりに追われた経験を持つ山田さんは、「予約を取る必要がない、いつでもたずねたら応えてくれるようなコミュニケーション手段があればいいな」と、感じていた。アイデアが固まったのはまだ、コロナ禍拡大の前だったが、昨年1月に試作版を仕上げ、3月にサービスを開始。ちょうど、コロナ禍でリモートワークが拡大する時期に重なって、注目度は増した。

起業をしやすく

 現在、オンライン上には、ほかにも、リモートワークを助ける、常時接続のサービスは多く存在している。その中で山田さんは、大学教授などの専門職の人や、フリーランスなど、複数の授業やプロジェクトを抱え、多数の人とコミュニケーションをとる必要がある人たちに役立つシステムにしようと考えている。

 「大学で、教授の部屋を訪ねて行って、在室だったら話を聞いてもらう。先客がいたら、行列を作って教授が時間が空くのを待つ。そんなイメージに近いかもしれません」と説明する。実際、リモート授業が進んでいる大学との事業契約の話も進んでいるという。

 また、フリーランスがそれぞれの専門知識について、意見交換できる場にもしたい考えだ。

 「リモートワークが進む中で、人と人がいかにつながりやすくするかを考えている。起業を目指す人が日本にいても、世界の投資家や企業家と簡単につながることができれば、情熱を形にしやすくなるのでは」

 自らが追い続けている起業への情熱を重ねて、サービス向上への努力を続けている。

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