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» 2021年04月12日 08時03分 公開

「リモートシェフ」小山薫堂「今こそ世に出すタイミング」

シェフは直接包丁を握らず、食材に触ることもなく、リモートにより「人に伝える力」を頼りに、おいしい料理を作る−。まさに今の時代にふさわしい、新たな料理バラエティー番組と思いきや……。

[産経新聞]
産経新聞

 シェフは直接包丁を握らず、食材に触ることもなく、リモートにより「人に伝える力」を頼りに、おいしい料理を作る−。まさに今の時代にふさわしい、新たな料理バラエティー番組と思いきや…。

 「実は平成22年に作った企画なんですよ」と明かすからびっくりだ。米ハリウッドの制作会社と企画し、見本を持ってオランダのテレビ局に売り込んだが、買われることなくボツになったという。

 「当時、『なぜリモートでやるのか』と言われまして。時代に合ってなかったんでしょうね」と振り返るが、「いつかやりたいと思っていた。コロナ禍で今こそやる意味がある」と力を込める。リモートによるテレワークなどが標準化した今、「新しい料理の形となる。今こそ世に出すタイミングだ」。まさに時代が企画に追いついた形だ。

 昨年来のコロナ禍で、海外で活躍していた知り合いのシェフが帰国したり、日本の料理人も店が開けなくなったり。さらにはこのコロナ禍を機に料理人をやめる人もいた。そうした状況を見聞きしながら、「料理人という仕事の可能性を広げたい」と考えていたという。

 従来はキッチンの中でその能力を発揮してきたシェフが、番組では2人登場。ゲストとして登場する芸能人などの「クッカー」に対し、リモートのモニター越しに指示を出して、30分の制限時間でその出来栄えを競う。シェフは1分間だけ、クッカーの料理をサポートできる。そのタイミングも見どころのひとつだ。

 「この番組で、シェフたちの料理がリモートで家庭でも再現できる、と認識されれば、シェフがキッチンから解放されることにもなる。ゆくゆくは番組で作るレシピに合わせた食材をeコマースで販売するなど、新しいビジネスチャンスが料理人にも生まれる」と解説する。

 自身は審査員として登場するが、「単純に見ているだけでも楽しい」と企画を自賛。実際、収録時には燻製(くんせい)の簡単な方法や魚介の扱い方などを見て、「なるほど、こういうやり方があるのか」と思ったという。「家ではぜひそのレシピをまねたいけど、番組でクッカーとして作るのはすごいプレッシャーだろうからイヤだなあ」と苦笑する。

 放送は日曜の夕刻。「作る楽しさや食べる喜びなどをかきたててもらえれば」。新しいスタイルによる料理番組がさまざまな可能性を広げそうだ。(兼松康)


 こやま・くんどう 放送作家、脚本家。昭和39年生まれ。熊本県出身。人気番組「カノッサの屈辱」や「料理の鉄人」を手掛けたほか、第81回米アカデミー賞外国語映画賞受賞の映画「おくりびと」(平成20年)の脚本を担当。熊本県のPRキャラクター「くまモン」のプロデュースも手掛けた。昨年10月、風呂につかる「湯道(ゆどう)」を世界に発信すべく、一般社団法人「湯道文化振興会」を立ち上げた。

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