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» 2021年05月05日 09時16分 公開

見た目そのままで柔らかいお肉を……高齢者に優しい調理家電 移動サポートするロボットも 

介護の負担を軽減する家電やロボットに注目が集まっている。少子高齢化や新型コロナウイルスの感染拡大で介護現場の負担が増しており、こうした製品の市場は拡大が予測される。

[産経新聞]
産経新聞

 介護の負担を軽減する家電やロボットに注目が集まっている。京都市の家電ベンチャーは肉料理などを高齢者らでも食べやすくする家電を開発。愛知県のロボットメーカーでは、ベッドからトイレなどへの移乗をサポートするロボットの販売が好調だ。少子高齢化や新型コロナウイルスの感染拡大で介護現場の負担が増しており、こうした製品の市場は拡大が予測される。(山本考志)

歯茎でつぶせる

調理家電「デリソフター」(中央)を開発した小川恵さん(左)、水野時枝さん(右)ら=京都市下京区のギフモ

 家電ベンチャー「ギフモ」(京都市下京区)は昨年7月、加齢や障害で歯を失ったり、飲み込む力が弱まったりした人でも食事をしやすくする調理家電「デリソフター」(税別4万3千円)を発売した。

 72枚の細長い刃が付いた剣山のような器具で食品に隠し包丁を入れ、デリソフターで20分程度、高温で加圧。見た目や風味は残しながら舌や歯茎でつぶせるほどの柔らかさにする。

 対応する食品はステーキなどの肉料理や魚料理、温野菜など100品以上。から揚げは衣にとろみがつき飲みこみやすさが増す。高齢者らが家族と同じものを食べられるのが魅力で、購入した総菜もそのまま柔らかくでき、別に介護食を用意する手間も減る。

 製品を企画したのはパナソニックの工場で勤務していた小川恵さん(50)。父親が嚥(えん)下(げ)障害で食べられるものが減り、悩みを相談した同僚の水野時枝さん(56)と製品のアイデアを社内コンテストに応募した。当時は商品化には至らなかったが、その後も技術者らとサークルを立ち上げ、同社の電気圧力釜を改良。同社が出資する投資ファンドの支援を受けてギフモを設立し、約4年をかけて発売にこぎつけた。

 昨年度は生産した約500台を完売。今年6月からは供給体制を強化し、今年度は5千台の販売を目指しており、小川さんは「製品を待っている人がたくさんいる。介護の中でも食べる喜びを感じてもらい、食事をつくる側の大変さも解消したい」と意気込む。

から揚げに複数の刃を指す調理家電「デリソフター」の器具。この後、高温で加圧する=京都市下京区のギフモ

2人がかりの作業を……

 新型コロナ禍で介護施設から注目を集めているのが産業用ロボットメーカー「FUJI」(愛知県)の移乗支援ロボット「Hug(ハグ)」だ。

 ハグはベッドから立ち上がる高齢者らを抱きかかえるように引き上げ、支えながら車いすやトイレまで移動。介護スタッフ2人がかりで行う動作を、1人がコントローラーを操作しながら付き添うだけでできる。

 販売台数は月数十台程度だったが今年に入り100台ペースで推移しており、同社は「新型コロナ禍で感染対策が求められる中、密集や密接が避けられるロボットとして認知されるようになった」と話す。

 調査会社の富士経済によると、介護の負担を軽減する機器やシステムの市場は平成28年の501億円から令和7年の812億円まで拡大が予想され、同社は「市場が立ち上がったばかりの機器やシステムも多いが、政府の補助金の後押しもあり今後浸透していくとみられる」としている。

高齢者らのベッドからの移乗を支援するロボット「Hug(ハグ)」

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