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» 2021年07月26日 08時06分 公開

3Dプリンターの家は300万円24時間で建つ(1/2 ページ)

自在に造形物をつくれる3Dプリンターを使って、建設費300万円の次世代住宅の実現を目指すベンチャー企業がある。

[産経新聞]
産経新聞

 自在に造形物をつくれる3Dプリンターを使って、建設費300万円の次世代住宅の実現を目指すベンチャー企業がある。セレンディクスパートナーズ(兵庫県西宮市)は、床や外壁、天井を3Dプリンターでつくることで、人の手が必要な内装を含め、300万円の低価格で住宅建設が可能としている。同様の手法は欧米などではすでに実用化されつつあり、決して夢物語ではない。令和4年には別荘用の小型家屋の試験販売を開始する計画で、市場の反応が注目される。

海外で住宅建設に利用されている3Dプリンター(©Apis Cor)

「自由に家の買い替えを」

 「300万円なら5年程度で支払える人も少なくない。住宅ローンの負担を減らし、もっと自由に家を買い替えられる生活を実現させたい」

 同社の飯田(はんだ)國大(くにひろ)最高執行責任者(COO)は、3Dプリンターを利用した次世代住宅「Sphere(スフェア)」の建設プロジェクトの意義をこう強調する。

 3Dプリンターは、物体の立体像などをスライスしたように平面の図面に落とし込んだうえで、その図面に合わせて材料を流し込み、さらに何重にも重ねて元の立体を精密に再現する。金属や樹脂、石膏(せっこう)など、さまざまな材料を用いることができ、製造業などで活用が広がっている。

 セレンディクスパートナーズのプロジェクトは、3Dプリンターを用い、家の外壁や床、天井などを建設する。無人・短時間で建設可能で、そこから人の手を使ってガスや電気、内装などを施工する。敷地面積が30坪ほどの住宅なら「24時間程度で完成できる」(飯田氏)という。

 令和4年には、建築基準法の対象ではない床面積10平方メートル未満の建物を別荘用などとして発売。飯田氏は「同年中に同法の対象である30坪規模の建物を建設するための大臣認定を取得し、6年には一般住宅市場向けの発売を実現させたい」と意気込む。

セレンディクスパートナーズが建設する別荘のイメージ(©Clouds Architecture Office)

世界ではすでに実用化

 3Dプリンターを使った住宅建設は、すでに世界各地で実用化が進められている。今年2月には米国で初めて、3Dプリンターで建設された住宅がニューヨーク州で発売されたほか、4月にはオランダで3Dプリンターで建設された賃貸住宅の提供が始まった。中東などでも建設が活発に行われている。

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