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» 2021年08月20日 08時10分 公開

「コロナに逆らえず」 業績回復の自動車業界に再び暗雲

東南アジアの新型コロナウイルス禍は自動車部品の供給を滞らせ、トヨタ自動車を9月に計画比で4割の減産へ追い込むまでの事態となった。

[産経新聞]
産経新聞

 東南アジアの新型コロナウイルス禍は自動車部品の供給を滞らせ、トヨタ自動車を9月に計画比で4割の減産へ追い込むまでの事態となった。今年に入り世界的な半導体不足に悩まされ減産を余儀なくされてきた自動車各社は、9月以降の挽回を想定していたが、収束が見通せないコロナ禍に阻止されかねない状況だ。計画に狂いが生じれば、回復傾向にあった業績が再び悪化に転じる恐れもある。

トヨタ自動車のロゴ=東京都品川区(佐藤徳昭撮影)

 「コロナには逆らえなった」。19日にオンラインで取材に応じた熊倉和生調達本部本部長は減産に至った理由をこう語った。半導体不足の影響を最小限に抑えながら生産に取り組んできただけに、失望感を隠せなかった。

 新型コロナの影響リスクを織り込んで年間生産目標の930万台を維持すると強調したものの、「今後の生産計画はぎりぎりで負荷が高い」とも述べた。

 日系自動車大手7社の令和3年4〜6月期連結決算は新型コロナの影響で落ち込んだ販売が回復し、そろって増収となった。日産自動車は4年3月期連結業績予想を上方修正し、3年ぶりに黒字転換するとの見通しを示した。

 しかし、感染力が強いインド由来のデルタ株で東南アジアの感染が再拡大し、トヨタ以外の日系メーカーにも影響が広がっている。

 ホンダは8月に鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の稼働を一時停止。3年度下期に挽回する予定だったが、半導体不足に加え、想定外のデルタ株の猛威で年間の販売台数を従来の500万台から485万台に下方修正した。日産もマレーシアからの半導体が滞り、米国テネシー州の完成車工場を停止している。

 半導体不足について、トヨタの熊倉氏は「需給は逼迫(ひっぱく)している。いつごろ解消できるかは答えられない」とするなど、先行きに再び暗雲が垂れ込めている。(宇野貴文)

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