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» 2021年08月26日 08時02分 公開

電機大手に共創ブームが再燃 サービス競争背景、外部企業と考案も

 電機大手の間で、「共創」という造語を拠点などの名称に使う動きが広まっている。

[SankeiBiz]
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 電機大手の間で、「共創」という造語を拠点などの名称に使う動きが広まっている。外部の協力企業と新たな商品やサービス、価値観をつくり出すという意味合いがあり、もともとはマーケティング分野で使われていた用語だ。顧客と事業構造を変革する注目のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進手法と考え方が近く、最近ではDX関連で採用するケースが目立つ。

東芝の共創センターにある壁面ホワイトボード=川崎市幸区

 東芝は2月にDX推進に向け「共創センター」(川崎市幸区)を開設した。DXは、デザイナーらが部外者とユーザー目線で製品やサービスを生み出す「デザイン思考」というアイデア創出手法で進める。これが共創の考え方と類似しており、センター名称に共創を採用した。

 デザイン思考を体現するこの拠点は、壁面ホワイトボードや共創スペース、デジタル工作機械を設置。創造力を高める空間になるよう工夫を凝らす。

 富士通は昨年4月にDX推進子会社リッジラインズ(東京都千代田区)を設立したが、企業コンサルティング活動のテーマに共創を掲げる。パナソニックは本社がある大阪や東京、福岡に「共創ラボ」を開設。ソニーグループや三菱電機も共創と銘打ったラボで、創業間もないスタートアップ企業と協業する。

 名称に人気の共創は、自前主義からの脱却を図るため外部の企業などと手を組む動きが活発化した2000年代に広がったことがあった。当時、NECが「共創」を商標登録して注目を集めたが、一巡後は影を潜めた。現在の電機業界は、従来の物売りからDXやサブスクリプション(定額課金)などサービスが軸となりつつある。これまで以上にアイデア勝負となっており、差別化を図る上で共創の重要性が再認識されたというわけだ。

 しかも、今回の共創ブームは根強そうだ。電機業界に詳しい長内厚・早大大学院教授は「デジタル化は(横断的で)大規模な半導体開発と標準化を進める。(サービス開発の観点だけでなく)共創を使う機会は増える」と指摘する。(黄金崎元)

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