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» 2021年10月15日 09時34分 公開

代替燃料調達へ企業と費用分担 全日空が新プログラム

希少なSAFの安定調達につなげるとともに、参加企業にも取り組みをアピールできる材料を提供し、双方にメリットがある仕組みを提示することでSAFの国内利用を加速したい考えだ。

[産経新聞]
産経新聞

 全日本空輸は14日、廃油や植物を原料とした環境負荷の少ない「持続可能な代替航空燃料(SAF)」の活用拡大に向け、企業に調達費用の負担を募り、応じた場合は脱炭素化への取り組みを証明する証書を発行する新プログラムを設立したと発表した。希少なSAFの安定調達につなげるとともに、参加企業にも取り組みをアピールできる材料を提供し、双方にメリットがある仕組みを提示することでSAFの国内利用を加速したい考えだ。

持続可能な代替航空燃料(SAF)をめぐる新プログラム設立を発表した全日本空輸の平子裕志社長(中央)ら=14日、東京・羽田空港(福田涼太郎撮影)

 SAFは世界の生産量が需要の0.03%(2020年時点)にとどまっており、価格も従来燃料の数倍に上る。日本は国内需要を全て海外産に依存しているため、調達の基盤強化は喫緊の課題だ。

 新プログラムは、ビジネスと運輸の利用分野に分かれ、参加企業と法人契約を結び負担分などを決める。対価として海外の第三者機関から認証を受けている全日空が「二酸化炭素(CO2)削減証書」を発行。欧州連合(EU)の算定方法に準じた温室効果ガス(GHG)の削減量が負担分に応じて記載される。

 海外では自社による直接的、間接的なGHG排出だけでなく、商品やサービスが顧客に提供されるまでの一連の活動(バリューチェーン)全体における排出分の削減にも注目が集まっており、国内でも同様の傾向は強まってきている。

 航空輸送が関わる活動としては、ビジネス分野は従業員の出張、運輸分野では自社が荷主の貨物輸送などが挙げられ、そうした活動による排出を「実質的に削減」できるとしている。

 環境への取り組みは世界的な要請となっており、全日空の担当者は参加のメリットを「投資の呼び込みや企業のブランドづくりにもつながる」と説明する。

 新プログラムは運輸分野で先行実施しており、9月に日本通運や近鉄エクスプレス、郵船ロジスティクスの3社が参加し、成田−フランクフルト便でSAFを使った貨物便を運航した。ビジネス分野も近くスタートする予定。

 この日、記者会見した全日空の平子裕志社長は、今回の取り組みについて「日本の経済にも貢献できるようなスキームになってくれば、全体的な評価につながる」と今後の波及効果に期待している。

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