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» 2021年11月30日 10時27分 公開

空港で最先端ロボのオモテナシ続々 人手不足、感染防止担う(1/2 ページ)

省力化やコスト削減という経済的理由に加え、最先端技術の実験場として空港を活用する狙いもある。人との出会いだけでなく、ロボットとの「出会い」も空港での楽しみになりつつある。

[産経新聞]
産経新聞

 多くの人が旅の夢をふくらませる空港は、近未来を予感させるショーケースでもある。警備や清掃、接客…。関西国際空港などはさまざまな業務でロボットの導入を推進。省力化やコスト削減という経済的理由に加え、最先端技術の実験場として空港を活用する狙いもある。人との出会いだけでなく、ロボットとの「出会い」も空港での楽しみになりつつある。

ターミナルを巡回警備するロボット=関西国際空港

死角カバー

 新型コロナウイルス感染が落ち着き、客足が戻り始めた関空第2ターミナル(T2)の国内線出発フロアで、見慣れない物体が旅客の目をひいている。

 「パトロール中です。道を開けてください」

 そう呼びかけながら走っているのは、10月下旬からT2とJR・南海の関西空港駅に導入された自律走行型巡回監視ロボット。

 360度を見渡せる全方位カメラ、超音波や熱感知センサーを搭載。自分の位置を特定すると同時に、障害物との衝突を避ける。異常を感知した場合は警備員に通報。空港を運営する関西エアポートの担当者は「死角をカバーし、高度なセキュリティー体制を実現できる」と話す。

全国で進む

 関空では他に自律走行型の清掃ロボット計3種類を昨年4月から本格導入。広いフロアを高速できれいにするタイプ、事務所などをきめ細かく清掃するタイプは、いずれも床を水洗い。もう一つはカーペットなどを吸塵するタイプだ。

ターミナルの床を清掃するロボット=関西国際空港

 ロボットによる空港業務の肩代わりは全国で進む。佐賀空港では昨年12月、全日本空輸(ANA)と豊田自動織機が共同開発した手荷物搬送ロボットを実証実験。ANAホールディングス広報は「他空港での利用も含め実用化に向けて検証している」と話す。

 旅客に「おもてなし」を提供する人型ロボットも登場している。神戸空港では今年9月、IT企業のサイバーエージェント(東京)と大阪大大学院基礎工学研究科が共同で、10体のロボットによる接客の実証実験を行った。

 ロボットに話しかけるとターミナル情報を教えてくれたり、飲食店の「おすすめメニュー」を紹介してくれたりする。回答は2人のスタッフが遠隔で実施。実験を手掛けた同研究科の石黒浩教授の研究室がデータを解析中だ。

 羽田空港ではすでに昨年6月から、高性能カメラやセンサーを搭載した遠隔案内ロボットが出発ロビー案内所で稼働しており、関空でも同様の接客ロボットの導入を検討している。

羽田空港の出発ロビー案内所に設置されている遠隔案内ロボット(日本空港ビルデング提供)

万博も視野

 高額な初期投資が必要なロボットを導入する背景には、旅客需要の回復をにらんだ空港の戦略がある。

 新型コロナウイルスの感染拡大で旅客が急減する以前、全国の空港が訪日外国人客でにぎわった。関空も令和元年度の総旅客数が約2877万人に達し、受け入れ能力が限界に近づいた。人手不足をロボットで補い、人件費を減らすことが急務になった。

 関西エアの権藤晃治・関西空港運用部マネージャー(62)は「清掃業務などは特に人の確保が難しく、ロボットによるコストダウン効果は大きい。旅客が回復すれば、いろいろな分野でロボットの導入は進む」と見通しを語る。

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