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» 2022年01月07日 08時02分 公開

EV市場、三つどもえの戦い 変革急ぐ自動車大手

米ラスベガスで開かれている世界最大級の家電・IT見本市「CES」で、ソニーグループが電気自動車市場への参入を本格検討する方針を示したことで、自動車業界は既存の大手、新興メーカーと異業種による三つどもえの競争がますます激しくなりそうだ。

[産経新聞]
産経新聞

 米ラスベガスで開かれている世界最大級の家電・IT見本市「CES」で、ソニーグループが電気自動車(EV)市場への参入を本格検討する方針を示したことで、自動車業界は既存の大手、新興メーカーと異業種による三つどもえの競争がますます激しくなりそうだ。ガソリン車と比べて部品が少なく、通信技術との親和性も高いEVは参入のハードルが低い。量産化が難しく、採算性などの課題もあるが、既存大手メーカーもEV競争に向けて変革を進める。

 CESは、大手自動車メーカーのEVシフトへの本気度を示す舞台にもなった。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は5日、ピックアップトラック「シルバラード」のEV版を披露。バーラ最高経営責任者(CEO)はオンラインで記者会見し「われわれは電動化に向けた転換点にいる」と述べ、EV化推進への決意を表明した。GMは2035年までに乗用車の全車種をEVにする計画だ。

 ピックアップトラックは資材などが積める車体後方の荷台が特徴だ。米国で人気が高く、フォードが人気モデル「F150」の電動タイプを今年前半に発売。アマゾン・コムなどが出資するリビアンなど新興メーカーも商品展開を進めており、追撃する構えを示した格好だ。

 一方、欧州大手ステランティスも5日、傘下の「クライスラー」ブランドのすべての車種を、28年までにEVにすると発表した。

 電機・ITなど異業種もEV市場の成長を見据えて商機を探る。

 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)はEV関連事業への参入を進め、電子機器の受託製造サービス(EMS)最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業も昨年、EVの試作車を披露した。

 米アップルも参入するとの観測がたびたび浮上。韓国・現代自動車などと提携交渉を進めていることも明らかとなった。スマートフォンのように開発と製造を分離する「水平分業モデル」を検討しているとされ、参入が実現すれば自動車産業の構造そのものが大きく変わる可能性がある。

 日系自動車メーカーの多くは、開発・製造コストがかさみ、「造れば造るほど赤字が出る」(大手幹部)というEVに慎重だったが、攻めの姿勢に転じている。トヨタ自動車は30年のEV販売目標を350万台に引き上げ、35年に高級車ブランド「レクサス」の100%EV化を目指すと表明。日産自動車も30年度までにEVの新型車15車種を投入する方針を示した。

 EVの航続距離を伸ばせる「全固体電池」の自社開発も進め、激しい競争環境で生き残りを図る。(米ラスベガス 塩原永久、宇野貴文)

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