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» 2022年01月20日 08時16分 公開

広がる家電サブスク パナソニックは賃貸向けサービス開始

物件のオーナーや管理会社に提供。入居者は自ら購入しなくても最新の洗濯機や冷蔵庫、調理家電などを利用できる。

[産経新聞]
産経新聞

 パナソニックは19日、賃貸住宅向けに、家電のサブスクリプション(定額課金)サービスを始めると発表した。物件のオーナーや管理会社に提供。入居者は自ら購入しなくても最新の洗濯機や冷蔵庫、調理家電などを利用できる。新型コロナウイルス禍による在宅時間の増加などで家電のサブスク市場は拡大しているといい、同社は本業のもうけを示す営業利益について令和8年までに年50億円を目指す。

リノベーションと家電のサブスクを組み合わせた物件の第1号(パナソニック提供)

 新サービス「ノイフル」では、オーナーや管理会社などの要望に応じて、家電の種類や数を決める。1部屋あたり月額5千円から2万円台を想定。設置や修理にかかる費用はパナソニックが負担する。

 さらに、サブスクだけではなく家電が使いやすい部屋へのリノベーションも請け負うサービスも始める。パナソニックは2つのサービスを12年までに20万戸に広めることを目標とする。

 同社はこれまでも調理家電の貸し出しと食材の配達を合わせたサブスクや美容家電などのサブスクを展開。社内分社、くらしアプライアンス社の松下理一(みちかず)社長は「ライフスタイルの多様化やコロナ禍による在宅時間の増加で、サブスクの市場は拡大している」と分析。継続的に課金が見込めるサブスク事業はさらに成長すると見込み、「これからは製品の売り切りとサブスクが両輪になっていくのでは」と話した。

 一方、矢野経済研究所は、元年度は約6800億円だった国内のサブスク市場規模は5年度には1兆1500億円にまで拡大すると予測する。

 シャープは日立キャピタル、旭化成ホームズと協業し、賃貸住宅や家電、家事代行などのサービスをサブスクで提供する事業を計画中で、令和2年から実証実験を開始。4年度の事業化を目標としている。また、イタリアの家電ブランド、デロンギは、コーヒーメーカーとコーヒー豆のサブスクを展開する。

 「サブスクは量販店を介さずに消費者と直接つながることができる。家電メーカーがサブスクに着目するのは顧客との接点を広げる狙いがあるのでは」とするのは、ベンチャー企業「レンティオ」(東京都品川区)の三輪謙二朗社長だ。3千種類以上のカメラや家電などのサブスクを手掛ける同社では、コロナ禍前までは、高額商品を必要な時に必要な間だけ利用する1カ月未満の短期のレンタル需要が主力だったが、コロナ禍後は、3カ月以上継続して使う月額制コースの利用者の比率が増えた。「コロナ禍で家電もネットで購入したいという需要が増加しているのに加え、経済的損失や雇用に不安が残る中、いきなり家電に高額投資するのはリスクと考える消費者が増えているのでは」と指摘している。(桑島浩任)

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