東京海上日動火災保険が水中ドローンを活用して洋上風力発電に使われる海底ケーブルの点検サービスに参入することが17日、分かった。政府は令和22(2040)年までに洋上風力の発電規模を最大4500万キロワットに増やす目標を示しており、同社は5年度中の事業化を目指し、拡大が予想される点検需要に対応する。専用船舶や潜水士を使わずに、水中ドローンを活用することで点検コストと時間を大幅に削減できる利点を訴求していく。
点検サービスは、東京海上が国内の洋上風力発電事業者向けに販売している操業時のリスクを補償する保険の付帯サービスとして提供する。
同社はロボットやドローンを活用した海洋環境調査で実績のあるセレスと連携。海中を全自動で航行する小型水中ドローン(AUV)を使い、海底の地形や海流データを収集し、映像などと照らし合わせて海底ケーブルや周囲の環境異常を検知する。点検結果をもとに事故の未然防止サービスの提供にもつなげる。
人が操縦しないAUVは、潮の流れや天候に左右されずに長時間の点検作業が可能なため、従来に比べて点検にかかるコストと作業時間を3〜5割削減する効果が期待されるという。
深い海底に敷設されるケーブルは、1月にトンガ近海で起きた噴火や津波により損傷した際のように、復旧には多くの費用と時間を要する。漁具や船のいかりに引っ掛かり損傷することもあり、欧州の洋上風力発電の操業中の事故の約6割が海底ケーブルの損傷に起因するとされ、事故を未然に防ぐ点検作業の重要性が増している。(西村利也)
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