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» 2022年04月07日 08時08分 公開

ふくおかFGの五島新社長インタビュー「客本位、収益上げ続ける」デジタル化軸に変革

マイナス金利政策の長期化など金融機関にとって厳しい経営環境が続く中、持続的な成長に向けて「顧客本位を徹底し、収益を上げ続ける」などと抱負を語った。

[産経新聞]
産経新聞

 今月1日付でトップに就任したふくおかフィナンシャルグループ(FG)の五島久社長(60)=福岡銀行頭取=が、産経新聞などのインタビューに応じ、マイナス金利政策の長期化など金融機関にとって厳しい経営環境が続く中、持続的な成長に向けて「顧客本位を徹底し、収益を上げ続ける」などと抱負を語った。インタビューの詳細は次の通り。

産経新聞などのインタビューに答えるふくおかフィナンシャルグループの五島久社長

 企業の目的を達成するためには何が必要か。大切なことは、「お客さま本位の徹底」「人と組織の力を引き出す」「収益を上げ続ける」−の3つだ。

 企業というのは収益を上げ続けなければビジネスが成り立たない。これまでも、ふくおかFGは持続的に収益を上げることで成長を遂げてきた。ステークホルダーの課題を解決していくことが重要だ。お客さまが満足してわれわれのソリューションや商品、サービスを利用し続けてもらうことで、持続的な収益が生まれる。そういう意味で、お客さま本位の徹底は一番大事だ。

 お客さま本位の徹底を実行するのは組織であり従業員だ。従業員のパフォーマンス向上のため、組織の活力を上げ続け、従業員一人一人が能動的にお客さまや地域の課題解決に取り組んでいく。そこで得た信用や信頼を持続的な収益につなげていく。この好循環を作っていきたい。


 低金利が続き、利ざやが減ってくると預金と貸金だけでは収益は上がらない。いろいろな手数料収入は今後の収益の柱の一つになってくる。

令和2年から「投信のパレット」という中長期的な資産運用を伴走型でサポートする投資信託サービスを提供している。投信の販売手数料が得られるのは、購入時の1回だけだが、多くの人に利用してもらい、長期間、運用してもらうことで一定の信託報酬を得ることができる。

 コンサルティング分野では、新型コロナウイルス禍を受けた事業の再構築や事業承継、M&A(企業の合併・買収)などについてサポートする機会がますます増えている。財務だけでなくSDGs(持続可能な開発目標)など非財務の部分でも手伝えるところはある。そこでも収益を上げていく必要がある。

 SDGsについては独自の評価システムを使って、取引先に対して、自社の立ち位置や課題を認識してもらう取り組みを進めている。評価システム自体が収益になるわけではないが、そこで浮かび上がった課題解決のために、ふくおかFG関連会社を含めてソリューションを提案していく。

 持続的な収益のためには変革し続けなければならない。変革の一つはデジタル分野だ。取引先のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むと同時に、われわれの商品やサービスを提供するチャンネルも多様化する必要がある。

 ビジネスのポートフォリオ(組み合わせ)でいえば、これまでは融資が中心だったが、これからは意識を変えなければいけない。お客さまが何を求めているのかを受け止めて、そこをビジネスにしていくことが重要だ。


 令和2年10月に誕生した長崎の十八親和銀行はシステムや店舗の統合が3年度で完了した。長崎では圧倒的な情報量と顧客基盤を持ち、ふくおかFGの一翼を担う銀行だ。これからは本当の意味で地域貢献を軸にした営業を展開していく。地域からの期待も大きい。資金利益はもちろんだが、地方創生への動きを強め、収益を上げていきたい。

 デジタルバンク「みんなの銀行」は5月で営業開始から1年を迎える。4年度からはローン事業を始める予定で、銀行システムや金融サービスを他の企業に提供する「BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業」も展開していく。ある程度、独り立ちする絵が描けつつある。機能を拡充し、銀行として収益を上げていくことが大事だ。デジタルバンクのノウハウやサービス、世界観に共感してもらえれば裾野は広がっていく。

 ふくおかFGとしてビジネスの幅は広がってきている。いかに効率的、効果的に成長させていくか、ガバナンスとマネジメントをしっかりやっていく必要がある。

 私自身、今まで人事や営業の部門で若い社員との対話を意識してやってきたし、トップとしても現場との距離は近いと思っている。できるだけ社員と対話型の議論を重ねて、組織の方向性をつくり上げていきたい。(小沢慶太)


【五島久(ごとう・ひさし)】 昭和37年生まれ、鹿児島県出身。九州大法学部を卒業後、60年に福岡銀行入行。総合企画部長、営業戦略部長、取締役専務執行役員などを歴任。令和3年6月にふくおかFG取締役執行役員。4年4月から現職。

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