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» 2022年05月17日 08時34分 公開

損保ジャパン、「出社したいオフィス」に 仕事内容や気分でフロア選択

低層階に1人用ブースやアイデア創出スペースを取り入れるなど、出社しがいのあるオフィスは生産性向上につながっているといい、導入フロアを増やしていく。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルス禍で働き方としてテレワークが浸透する一方、コミュニケーション不足が顕著化したことからオフィスの重要性も再認識された。こうした中、働く場所と時間を自由に選ぶワークスタイルを導入する企業が増加。損害保険ジャパンも東京・新宿の本社ビルのリニューアルにあわせて働く環境を再設計した。低層階に1人用ブースやアイデア創出スペースを取り入れるなど、出社しがいのあるオフィスは生産性向上につながっているといい、導入フロアを増やしていく。

ソファでくつろげる「REFRESH」。気軽にコミュニケーションできる(損保ジャパン提供)

 その日の仕事内容や気分に応じて労働環境を選ぶ働き方を「ABW(アクティビティー・ベースド・ワーキング)」と呼ぶ。場所は自宅やカフェなどオフィスに限らないが、働きやすい環境を整備することで社員のモチベーションを高める狙いがある。

 「集中するときは1人用ブース、メンバーと打ち合わせるときはソファと使い分けることで生産性が上がった」

 同社が今年1月にABW仕様に改良した4階のフロア「つながるアトリエ」で業務をこなしていた社員は笑顔でこう話した。

一人用ブース「SOLO」。作業に集中したいときに使われている(損保ジャパン提供)

 目的ごとに最適な機能を持った10のワークスペースを用意。自分だけで作業に集中したいときは1人用ブース「SOLO」にこもり、チームでアイデアを創出したいときはオープンスペース「BRAINSTORMING」で議論。リラックスしながら気軽に会話するなら「REFRESH」を利用する。

 機能面に加え、快適な業務空間づくりにも注力。所有する絵画を展示し、観葉植物を配置した。「利用したくなる雰囲気で、ここで仕事をしていると楽しくなる」と好評だ。環境にも配慮し、不法投棄漁網を糸として利用した床材や、自然素材を主原料とする壁紙を使った。

 効果を実感した社員の口コミもあって利用者も次第に増加。ABW導入に取り組んできた人事部の三浦史野担当部長は「絵画の展示効果などは想定以上の反響で驚いている」と喜ぶ。多くの社員に受け入れられたのは「テレワークが常態化する中で、出社する価値があるオフィスとは何かを考え、プロジェクトを進めてきた」からだ。

 テレワークの浸透でおろそかになった社員教育の充実もその一つ。相談しやすく、学びやすい環境をつくるため、L字ソファと背の高い壁に囲まれた「1on1」、2人で並んで画面を共有しながら作業する「PAIR」といったスペースを設けた。

交流スペース「OPEN MEETING]。チームの情報交換などに使われる(損保ジャパン提供)

 広い交流スペース「OPEN MEETING」では知り合った違う部署の社員同士が情報交換する機会も生まれており、チーム横断プロジェクトの発生も期待できるという。

 低層階に設置したつながるアトリエを利用することで生産性向上やコミュニケーションの活性化につながった。社員の固定席がないフリーアドレス導入などによるコスト削減も効果的だ。手応えを得た三浦氏は「各フロアにABWの要素を取り入れる。それとは別に中層階、高層階にもABWを意識した共用スペースを設置していく」と、さらなるオフィスの価値向上に全力を挙げる。(松岡健夫)

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