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» 2022年06月28日 08時28分 公開

「空飛ぶクルマ」のテトラ・アビエーション、米で販売体制増強 整備拠点を新設、要員倍増へ

1人乗りの電動航空機を開発するテトラ・アビエーションの中井佑社長は27日、都内で記者会見し、来年春の機体の初納品に合わせて、販売市場と想定する米国に整備拠点を来年3月までに新設すると明らかにした。

[産経新聞]
産経新聞

 1人乗りの電動航空機(空飛ぶクルマ)を開発するテトラ・アビエーション(東京都文京区)は27日、都内で記者会見し、主要な販売市場とする米国で、来春に予定している機体の初納品に合わせて体制を大幅に増強すると発表した。来年3月までに米国内で整備拠点を新設し、技術者を中心に従業員数を現在の14人から30人に増やす方針だ。

テトラ・アビエーションが開発を進める1人乗り航空機(同社提供)

 テトラ・アビエーションは、東京大学発のベンチャー企業として平成30年6月に設立。福島県南相馬市に研究開発拠点を持ち、米国などで先行して受注活動を始めている。米国での整備拠点の開設場所はこれから検討するが、滑走路を備え、5〜6人の技術者を常駐させる考えだ。

 拠点整備と増員のための資金調達も同日までに実施。三井住友海上キャピタル(東京都中央区)や自動車用シート開発のテイ・エステックなどを引き受け先とする第三者割当増資により、総額4億5000万円を調達した。量産機の開発や生産にはさらに数百億円が必要とされることから、中井佑(たすく)社長は会見で、「年内にも追加の資金調達を検討したい」と語った。

開発中の1人乗り航空機の10分の1大模型を手にするテトラ・アビエーションの中井佑社長=27日、東京都港区(松村信仁撮影)

 米国では、空飛ぶクルマが含まれる「エクスペリメント(実験機)」と呼ばれるカテゴリーで、すでに日本の航空機全体の約10倍におよぶ約2万8000機が登録されるなど、市場が確立されつつある。テトラ・アビエーションが開発中の機体「Mk−5(マークファイブ)」は令和3年に米国で実験機としての認証を取得。来春に納品する機体は、実験機をベースとしており、幅8.6メートル、長さ6.1メートル、高さ2.5メートル、機体重量488キロ。積載可能重量は80キロ、航続距離は160キロという。価格は40万ドル(約5200万円)。

 納品後は、ユーザーから使い勝手などを聞いて将来の量産機の開発につなげる。日本では法整備の遅れなどからまだ販売活動を展開していないが、令和7年開催の大阪万博に向けて2人乗り用の機体の開発も進めている。

 空飛ぶクルマを開発する海外のベンチャー企業としては、トヨタ自動車や米インテルが出資する米ジョビーアビエーション、独メルセデス・ベンツグループ(旧ダイムラー)が出資する独ボロコプターなどがある。(松村信仁)

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