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» 2022年07月12日 08時25分 公開

KDDI通信障害、企業活動にも広範な影響 普段からの「備え」課題に

KDDIの通信障害では企業活動にも広範な影響が生じた。高速通信が普及し、多様な機器を通信でつなぐモノのインターネットを活用する流れが加速する中、普段から大規模な通信障害のリスクにどう備えるかが企業側の今後の課題となりそうだ。

[産経新聞]
産経新聞

 KDDIの通信障害では企業活動にも広範な影響が生じた。高速通信が普及し、多様な機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)を活用する流れが加速する中、普段から大規模な通信障害のリスクにどう備えるかが企業側の今後の課題となりそうだ。

通信障害を知らせるKDDIのサイト=2日午後、東京都千代田区(斉藤佳憲撮影)

 トヨタ自動車やスズキなどでは今回の通信障害により、外部との通信を利用する「コネクテッドカー(つながる車)」のサービスの一部に一時、支障が発生した。自動車業界では、つながる車や電動化など次世代技術への対応が課題となっており、将来の自動運転の普及には安定した通信環境が欠かせないだけに、今回の事態を「重く受け止めている」との声が上がる。

 物流関連では、JR貨物でコンテナの位置情報を管理するシステムが一時使えなくなり、その余波で日本郵便の「ゆうパック」の一部の配達に遅れが生じた。ヤマト運輸では、コールセンターや配達員への電話がつながりにくくなった。

 影響は金融機関にも波及し、岐阜県を地盤とする大垣共立銀行では、店舗外に設置するATMの8割超にあたる190台が利用できなくなり、完全復旧は4日午後になった。防犯関連では、セコムが提供するオンラインの警備システムやスマートフォン向けの見守りアプリが一時利用しづらくなった。

企業がIoTを活用して自社の生産性向上や成長戦略につなげる流れは加速が見込まれる。今回、大規模な通信障害のリスクが顕在化したことで、企業にとって非常時の代替手段確保、早期復旧、顧客への影響の最小化など、平時からの対策が重要さを増している。

 三菱UFJ銀行などの3メガバンクは以前から、障害に備えてATMの通信回線を複数契約。また、JR貨物はかねて進めていた新たな位置情報管理システムの導入を急ぐほか、今回のKDDIの通信障害を踏まえて複数の通信会社と契約することも検討している。

 備えを厚くすれば、企業が負担するコストはそれだけ増える。JR東日本の深沢祐二社長は5日の記者会見で「どこまで冗長性(多重化など予備を用意している状態)を持たせるか、コストのバランスを考えつつ検討したい」と述べた。

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